内容説明
西洋流儀の政治身体と自然身体、これに重ねて自然身体における神と人として天皇は存在し、この二重のコンプレックスが戦前昭和の国家をなしていた。国体明微運動、二・二六事件、三島由紀夫などから日本国体のもつれた糸を解きほぐす。
目次
第1章 日本国体の戦前戦後―憲法と国体
第2章 天皇とプロレタリア―里見岸雄
第3章 国民大覚醒の捨て石―五・一五事件
第4章 ついに国家たりえず―国体明微運動
第5章 戦争・内戦・叛乱―国体論とフーコー
第6章 虚焦点―中世の天皇
第7章 王の二つの身体―現人神の分裂
第8章 青年将校たち―二・二六叛乱の四日間
第9章 天皇信仰の永続革命―三島由紀夫
エピローグ―みやびとテロ、そして日本の平和