内容説明
根本的に未完成なものとしての書斎。人々との出会い、書物との出会いの数々を明かしつつ、異なる時間と場所を宿すユートピアとしての書斎に託して、写真とともに綴られる、初めての自伝的エッセイ。
著者等紹介
アガンベン,ジョルジョ[アガンベン,ジョルジョ] [Agamben,Giorgio]
1942年ローマ生まれ。イタリアの哲学者
岡田温司[オカダアツシ]
1954年生まれ。京都大学大学院教授。専門は西洋美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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三柴ゆよし
19
読書と友情には終わりがない。それはどこまでも未完のものとしてわたしを規定し、滋養しつづける、という美しいビジョンが語られる自伝的エッセー。本書が感動的なのは、実人生において出会い、語らった(そしてある場合には失われた)師や友と、書物という媒介をとおして交感した人物とを等価として扱うアガンベンの筆致にかかわっている。わたしとはつねにあなたのエピゴーネンでしかなく、あなたから生まれ、あなたによって育まれる。わたしとはかぎりないあなたの集積。要するに、楽しい酒席と書斎でのひとときは、人生を同じくらい豊かにする。2019/10/17
34
4
やっぱ手書きだよな、と謎の感想をおぼえる。2020/02/12
Lieu
1
この本の性格上、著者の個人的な思い出が多く、出てくる人名は日本の普通の読者には親しみのないものが多いが、こういう本を老いてから書ける著者の人生が羨ましい。アガンベンの書斎には肖像写真や肖像画が多く置かれている。面識のあった人のもあれば、全く会ったことのない人のもある。おそらくこれが、彼の本との出会い方を象徴している。本の背後に人々の顔を感じながら読書してきた。人生は、すでに亡くなった者と生きている者、知り合い言葉を交わした者と全く会ったことがない者、色んな他者たちの顔の思い出でできている。2023/01/29
TOMYTOMY
0
記憶と愛。生きた証が見事に。2021/01/18
をとめ
0
図書館2020/06/20