出版社内容情報
『フランドルへの道』『ファルサロスの戦い』『農耕詩』など、前衛的、実験的小説作品を発表した〈ヌーヴォー・ロマン〉の代表作家であり、ノーベル文学賞作家である、クロード・シモン――シモン独自の書法で紡がれた、第二次大戦末期の、とある日曜日の出来事の〈居場所のなさ〉をめぐる初期の長編小説。本邦初訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
uchiyama
2
頁を行きつ戻りつ(しないと、人物の相関図がまったく見えてこないからですが)読む愉しみ。言語化される前に事物が見せる姿と、単純なループとは違う、重なり合う円を描くような「時」の操作が加わって、頁を繰る手はより往復させられ、その運動こそが作品を創っていくような感覚に、直線的な読み方ではないこんな時間こそ、読書の本質かも、と。プルーストやカフカが、虚仮威しではなく作者の読書体験として織り込まれてるのがわかるし、現実の社会への強靭な(若者たちのように卑屈さのない、冷静というより無表情の、暴力的な)批評性があって。2026/11/04




