出版社内容情報
東京中野・鍋屋横丁にひとり暮しの著者が、365日の寂しさと1年の楽しさを綴るエッセイ集。静岡新聞好評連載を再編集。
平田俊子[ヒラタ トシコ]
内容説明
東京・鍋屋横丁ひとり暮し。三百六十五日の寂しさと、一年の楽しさ。四季おりおりの、ささやかな想いに随いて…
目次
春は化け物
夏は鳴り物
秋は曲げ物
冬は捕り物
春は繰る物
著者等紹介
平田俊子[ヒラタトシコ]
1955年6月30日、島根県生まれ。詩人、小説家、劇作家。立命館大学文学部日本文学専攻卒業。83年「鼻茸について」その他の詩篇で現代詩新人賞受賞。84年の第一詩集『ラッキョウの恩返し』で注目される。98年『ターミナル』で晩翠賞受賞。2000年、戯曲「甘い傷」で文化庁舞台芸術創作奨励特別賞受賞。04年、詩集『詩七日』で萩原朔太郎賞受賞。05年、小説『二人乗り』で野間文芸新人賞受賞。16年、詩集『戯れ言の自由』で紫式部文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チェアー
15
世の中のど真ん中からはちょっと距離を置き、斜めから見てケッと吐く。ちょっとだけ真ん中に行きたいのだけど、今さら行くのはなんだか決まりが悪いしなあ、というどっちつかずにうろうろする感覚にすごく共感した。前に読んだ「スバらしきバス」よりも入り込めて、すらすら。エッセイって、読んでいる側の状況によって随分感じ方が変わるしね。今回は波長が合ったということなんでしょう。2017/04/20
Shimaneko
13
詩人ならではというべきか、詩人らしからぬというべきか。ゆるゆるの日常エッセイ。自分の中で密かに三大妄想クィーンと称している岸本佐知子・津村記久子・松田青子に比べれば、かなりマイルドながら、こちらもだいぶ楽しい。今の60代ってこんなに若いのかと思うと、なんとなく勝手に励まされた気分。2017/05/20
mawaji
7
タイトルだけで図書館で手にした一冊。枕草子ほど押しが強くなく控えめなエッセイは気の弱い私にはとても相性がよかったみたい。フキの煮物は故郷秋田を思い出します。学級日誌に牧水を認めるあっちゃんのような女子、いたかも。最近あの黒光りした憎いヤツは出てきません…「佳き声をもし持つならば愛さるる虫かと言ひてごきぶり叩く」 ハサミを使って超速でブックカバーをかけてくれた浅草橋の本屋のおじさんのことを思ひ出しました、ご健在だらうか。本年度の「日本タイトルだけ大賞」ノミネート間違ひないでせう。大賞を取れるかも知れんなう。2017/06/12
qoop
6
有機的かつミニマルなデザインの表紙の中央に、何気なく配されたような目を惹く題名。インパクトを信じて購入したエッセイ集だが、アタリ。著者の関心事や生活の一コマが過剰さのない短文のうちに綴られ、繋がっていく。表紙から受ける印象を信じてよかった。装丁家は?…とみると細野綾子氏のお名前。こちらも覚えておこう。2017/02/01
ありんこ
5
「スバらしきバス」が良かったので、再び、平田俊子さんのエッセイを読んでみました。やっぱり面白いし、優しいお人柄です。大学講師や教授もしているなんて。授業を聞いている人がうらやましいです。鬼海弘雄さんという写真家のファンであると知り、興味を持ったので、写真や平田俊子さんとの対談も読んでみるつもりです。2021/09/19