内容説明
コーヒーカップ男と色黒調理師の奇跡的“視線”の邂逅を描く表題作ほか7篇。中原昌也メルヘン短篇集。
著者等紹介
中原昌也[ナカハラマサヤ]
1970年東京生まれ。88年から音楽活動を展開。90年から97年まで“暴力温泉芸者”、以降は“Hair Stylistics”として活躍しながら映画評論なども手掛ける。98年初の小説集『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』を上梓、2006年「点滅…」で芥川賞候補となる。著書に、『あらゆる場所に花束が…』(01年、三島由紀夫賞)、『名もなき孤児たちの墓』(06年、野間文芸新人賞)、『中原昌也作業日誌』(08年、ドゥマゴ文学賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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林 一歩
15
感想が、何も思い浮かばないです。町田康氏と同じカテゴリーで括っていましたが、全然異なりました。他の作品を読んでみたいような、もう読まなくても良いような、位置付けとしてはかなり曖昧な作家さんになりそうです。装丁とかは好きなんだけど。2014/09/15
OjohmbonX
7
物語がないというか、出来事があまり因果律的に組織されていないので、意味に還元されずに出来事そのものとして迫ってくる。途中で挿入されるコラージュもそうで、この感覚が好きで、存命中の小説家で一番新作を楽しみにしてる。物語がないと言っても出来事をただごろごろ並べて事足りる話ではなくて、因果律以外の選択や排除の論理が働くわけで、例えば誰かがいなくなるという反復もその一つかもしれない。剥製、死体、または姿を消して声や音だけが意味を欠いて残る。そうしたイメージが一編を越えて立ち騒いでくるとき短篇集を読む楽しみがある。2013/11/26
王天上
4
淫隠滅滅としたグルーヴに支配されていて読後感は最悪なのだが、やめられない。祝復活!2013/12/08
boooook
3
「ひ」が一番良かった。また小説書いて欲しい。2014/01/26
hiratax
3
延々と書かない著者が、一冊の小説集を上梓するのは奇跡とも。 彼は書かないのではなく、書けない理由を探している。2014/01/12