出版社内容情報
革命という情熱にうなされる怪男児-。広大な大陸と海原を貫き、歴史の時を刻もうとした、疾走する情熱、凄絶な正体。明治時代末期の中国・日本を舞台に繰り広げられる波瀾万丈のドラマ。第19回横溝正史賞正賞受賞作
内容説明
一九一一年、上海。服役中の刑務所で暗殺者に命を狙われた日本人詐欺師、伊沢修は、同房の中国人、関に助けられる。その夜、伊沢は革命家である関からある計画への協力を要請された。それは、革命のための武器の調達、それも、騙し、奪い取る。そのターゲットは日本陸軍参謀次長―。暗殺者から身を守ることを交換条件としてこの企てに加担した伊沢は、刑務所を抜け出し、執拗な暗殺者の追走を受けつつ、関たちとともに壮大な計画を進めていく。騙し騙されるサスペンスフルなコン・ゲームとスピード感、全選考委員の大絶賛を受けて第一九回横溝正史賞を受賞した超大作。
著者等紹介
井上尚登[イノウエナオト]
1959年神奈川県生まれ。東海大学工学部卒。会社員を経て放送作家となる。99年『T.R.Y.』で第一九回横溝正史賞正賞を受賞し作家デビュー
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感想・レビュー
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chiru
84
あまりにも凄い作品で一気に読み切った。時代は中国革命前夜。舞台は日露戦争後の中国と日本。日中韓の動乱を下敷きに、命を担保にしたレバレッジコンゲームを展開。登場人物が全員魅力的。飼い犬まで登場人物欄に掲載してるのがいいな。日本人詐欺師伊沢、革命家の中国人、密かに伊沢の命を狙う韓国人がタッグを組み、日本陸軍幹部から武器を騙し取る作戦。裏の裏の裏をかく頭脳戦と心理戦。でも一皮むけば人情に満ちた心優しい詐欺師たち。フルカウントからの回生ラストに、心地よく騙され酔わされました。切なく暖かなラストが爽快。 ★52019/07/01
カレイ.シュウ
61
明治末期の中国、日本を舞台にした、コーンゲーム(詐欺)。日本の軍部大物から中国革命軍へ武器を騙しとる駆け引き。日本の軍部の権力闘争と中国革命勢力、さらには韓国の抗日運動まで内容が盛りだくさんすぎてちょっと混乱します。一つ一つのエピソードは面白い部分もあるけれど、メインストーリーが今一かな。話しについていけてないだけかもしれないが。2020/07/13
James Hayashi
22
横溝正史賞受賞作。初読み作家。読み始めにちょっと期待しすぎたようだ。イマイチのできばえ。2019/03/08
さんつきくん
21
横溝正史賞受賞作の力作!「ホペイロ」シリーズにはまり、追いかけた井上尚登の処女作。「ホペイロ」シリーズと作風がかけ離れたハードボイルド調の描写にビックリ。明治後期、中国革命同盟会の関に見いだされた日本人詐欺師・伊沢修の暗躍を描いた物語。武器を手に入れるため陸軍参謀次長・東を騙す計画を行動に移すが…。中国のヤクザや韓国併合に怒る朝鮮人に命を狙われ、綱渡りの伊沢。果たして武器は手に入るのか。中国革命同盟会の運命は!ラストは目まぐるしく変わる、どんでん返しのスリリングな描写に息を飲んだ。2017/02/21
み
20
う〜ん頭フル回転(>_<)面白いけど疲れました…。2015/07/28
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