内容説明
魁夷は、「風景の魅力」を発見する天才だった。私は魁夷の足跡を訪ねることによって、今まで知らずに通り過ぎていた、それぞれの地の歴史や文化や自然に触れることができた。魁夷はドイツやオーストリアに対する幅広い深い知識を持ち、事前の調査をしっかり行なっていたからこそ、歴史や文化に裏打ちされた「風景」を切り取り、魅力的な絵画に昇華させることができたのだろう。
目次
1 ロマンティック街道
2 バルト海 エリカ街道
3 古城街道
4 南バイエルン
5 ネッカー川 フライブルク
6 ライン川 フランクフルト周辺
7 ドナウ川
8 チロル
9 ザルツカンマーグートザルツブルク
著者等紹介
松本猛[マツモトタケシ]
美術・絵本評論家、作家、横浜美術大学客員教授、ちひろ美術館(東京・安曇野)常任顧問、美術評論家連盟会員、日本ペンクラブ会員。1951年、いわさきちひろ(絵本画家)、松本善明(元衆議院議員・弁護士)の子として東京都に生まれる。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業。ちひろの没後3年目の1977年に世界初の絵本美術館となる「いわさきちひろ絵本美術館」(現、ちひろ美術館・東京)、1997年に「安曇野ちひろ美術館」を設立、同館館長、長野県信濃美術館・東山魁夷館(現・長野県立美術館)館長、絵本学会会長を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chisarunn
6
東山魁夷といえば白い馬が潜んでいる森や湖の絵が有名だが、ドイツ・オーストリアを旅して街や自然の風景もたくさん描いている。実は自分は魁夷の絵のなかでもこれらが一番好きで、何か企画展があるたびに長野県立美術館へ足を運ぶのだ。(ここには「東山魁夷館」という別館がある)この本は、魁夷の欧州の絵の元となった風景を訪ねて写真撮影し、画家がどのように風景を芸術に昇華させたかを追求している。現地の人にしてみれば見慣れた風景や建物なんだと思うけど、それを東山魁夷という芸術家を通して見ることのできる自分たちは幸せだ。2025/10/25




