内容説明
後醍醐か、尊氏か、それとも第三極か!?鎌倉幕府の滅亡、南北両朝の分裂、観応の擾乱の勃発と、次々に上野武士たちを襲う未曾有の内乱。血で血を洗う戦いのなか、家と領地を守るために彼らが下した決断に迫る!
目次
第1章 南北朝内乱前夜の上野国
第2章 義貞挙兵、決断を迫られた上野御家人
第3章 建武政権と上野国
第4章 観応の擾乱に巻き込まれていく上野国人
第5章 内乱の終結が上野にもたらしたもの
第6章 南北朝時代の終焉
著者等紹介
久保田順一[クボタジュンイチ]
1947年、群馬県生まれ。東北大学文学部国史専攻卒。専攻は日本中世史。現在は群馬県文化財保護審議会専門委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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翠埜もぐら
20
通史の歴史書にほとんど載っていない中小、いや小・微小の上野(こうずけ)という限定された地域の武士たちの話が、あまりに細かくて読み切れるのかと思ったのですが、けっこうサクサク面白く読んでしまいました。出てくる家名に「あれ?西国や九州の武士の名前?」と思ったのですが、所領が全国にあったり一族であったり、意外と広域で活躍。上野の武士でありながら鎌倉府の命令だけでなく、室町幕府に断らないと動かせないとか、関東の武士団の複雑な成立過程が少しは理解できたかな。入り乱れててざっくり説明ってできないのは良くわかりました。2023/10/06
フランソワーズ
9
鎌倉幕府倒幕の主役の二人足利尊氏と新田義貞、そして足利将軍家の直属軍を経て、幕府奉公衆に準じる地位になった白旗一揆、さらに足利・新田氏の本拠地上野国の諸将を、鎌倉時代からスタートし、倒幕、南北朝時代、上杉禅秀の乱あたりまでの動向を追っている。しかもかなり小規模の氏族、その庶流も含めて網羅的に紹介している。その多さゆえに、巻末にインデックスが欲しいです。2023/03/30