内容説明
堀尾吉晴・忠晴が築いた松江城を中心に、京極・松平氏のもとで発展した魅力溢れる城下町。「水の都」とも呼ばれる美しい街を舞台に活躍した人々の営みを掘り起こし、長い歴史に裏打ちされた松江の個性を再発見する。
目次
第1部 戦国~江戸初期の出雲・松江(戦国時代の出雲;築城伝承を検証する―堀尾期の松江藩;京極期の松江藩)
第2部 松平期の松江藩(松平家二三三年の礎を築いた松平直政;多種多様な松江藩士のルーツ;江戸文化を牽引した藩主と藩士 ほか)
第3部 明治・大正・昭和時代の松江(明治維新の経験;松江から世界へ;最先端を行く出雲国の先覚者 ほか)
著者等紹介
西島太郎[ニシジマタロウ]
1970年生まれ。2001年、名古屋大学大学院文学研究科博士課程(後期課程)修了。博士(歴史学)。現在、松江市歴史まちづくり部松江歴史館学芸係主幹(学芸員)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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wasabi
10
著者が松江に移り住んで12年、松江歴史館の学芸員として郷土史の調査・研究に勤しんだ集大成であり、著者にとっての中間報告となる一冊だ。ここで述べられる通り、著者が来松するまでの松江の歴史は、80年前の『松江市誌』や『島根県史』の叙述に拠って継がれ、根拠が不明な伝承が多い。そうした中、丹念に史料にあたり、史実をつまびらかにしてきた著者の功績は極めて大きい。城下の形成、近世・近代の人物像など、ときに定説を大胆に覆し、新たな掘り起しも幾多に及ぶ。著者がすでに松江の貴重な財産となっており、さらなる活躍を期待したい。2020/09/10
katashin86
0
あるいはお城に登りに、あるいは蕎麦をすすりに、どういうわけか三度も訪れたことのある、雲州ひいては山陰の都のお話。藩祖堀尾氏とご親藩越前系松平氏の間、わずか3年間の京極氏時代に意義を見出し、紙幅を割いているのが面白い。2020/12/17