出版社内容情報
アルプスの自然を愛する少女ハイジの、素朴で無邪気な愛の力が、魔法のように周囲の人たちを変えてしまいます。(Cー5)
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学中学年から
内容説明
人里から離れて、一人でアルプスの山に住んでいる頑固者のアルムじいのもとに、ある日、孫娘のハイジがやってきます。アルプスの草花のように健やかなハイジはたちまち周囲の人たちを魅了してしまいます。ところが、そんな幸せな日々も、思わぬことでハイジが都会にいくことになり、奪い去られてしまいます。小学校中級以上。
著者等紹介
シュピーリ,J.[シュピーリ,J.][Spyri,Johanna]
1827年、スイスのヒルツェルに生まれた。医師の父親と詩人の母親にのびのびと育てられたヨハンナ・シュピーリは、幼いころから両親の蔵書に親しみ、やがてチューリヒの作家や芸術家と接するようになり、高い教養を身につけていった。作家としての出発はおそかったが、『ハイジ』のほかに『グリトリの子どもたち』『ドリ』など多くの作品を書いた。1901年没
矢川澄子[ヤガワスミコ]
1930年、東京に生まれた。東京大学文学部美学美術史学科中退。以後、著述や翻訳に従事。2002年没
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
335
ハイジのイメージは持っていたが、原作を読むのは初めて。マイエンフェルトの奥地のデルフリの、そのさらに山を上がったところのアルムが物語の主要な舞台。私は物語はこの地で終始するものかと思っていたが、第1部のはじめと終わりはともかく、分量の上からはフランクフルトの方が長いのは意外だった。物語の構想は、設定は全く違うもののバーネットの『小公子』と相同であると思う。主人公のハイジの徹底したイノセンスもまた通じるところがありそうだ。このハイジのイノセンスと、祖父とデルフリの人々の善良さと素朴さが作品の生命である。2024/02/02
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
162
毎時間色を変える鮮やかな草原。とりどりの花々。遠くに残る雪の白。全世界が燃えるような圧倒的な夕焼け。目の前にいるひとが大好きで、自分にできることは何でもやってしまうハイジと、素晴らしいアルムの山。おじいさんの黄金のチーズにあたたかなパンを食べて草原を駆け回って、疲れたら憧れの干し草のベッドで月あかりに照らされて眠るの。あまりにも優しく美しい世界で、読んでるこっちまでしあわせが押し寄せてきて何度も泣きました。おじいさん大好き!ハイジ大好き!2020/02/02
北風
23
新年から心穏やかに、……とおもったけれど、家族と諍いがあり、いやな新年。なので、心を平静にするためにハイジを読む。都会に連れ去られたハイジの辛さはほんとうに可哀想になるのだけれど、その苦行の末に故郷にいろいろなものを持ち帰ることが出来る。ハイジ自身に自己犠牲の精神があるわけじゃないけれど、それでも不信心なアルムおじいの心を開かせ、再び教会へと向かわせるのは心が洗われるよう。ハイジ、私のくすぶった心も癒やしておくれ!2021/01/01
ベランダ
18
今読むにふさわしい話がたまたま古典童話であったが、古い時代に書かれていても全く古くない素晴らしい内容なのも心に響く。私の生まれるずっと前のスイスの物語りを、私が5歳の時に日本でアニメにしてテレビで何気なく放映してくれた奇跡の出会い。それがその時まかれた種のように、私の人生にで何度もハイジが私を導いてくれていたみたいな気持ちになる。この話、いつ書かれたのだろう?すごいなー。おじいもおばあもペーターもクララもみんな私の中にいて、心のままに生きているハイジに導かれて本来の姿で生きるようになる。また読みます。2019/08/02
Atsushi Kobayashi
17
今月の「100分de名著」本ということで初めて読みました。なるほど=と思いつつも、ちょっと文体が古かった2019/06/21