目次
1 四季の卵(春はまぼろし;駒鳥の隣人;ルネ・マグリット式;カフェとワイン;ポータブルな休日;狂風忍者伝;冬の落書き;花と夜盗;胸にフォークを)
2 昔日の庭(陳商に贈る;貝殻集;今はなき少年のための;AQUA ALLEGORIA;研ぎし日のまま;サンチョ・パンサの枯野道)
3 言葉と渚(水をわたる夜;夢擬的月花的;白百合の船出)
著者等紹介
小津夜景[オズヤケイ]
1973年北海道生まれ。2013年「出アバラヤ記」で第2回攝津幸彦賞準賞、2017年句集『フラワーズ・カンフー』で第8回田中裕明賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rinakko
6
〈忘我ゆゑ春は幻ボローニャ風〉〈パピルスや死後千年の音階図〉〈副葬の品のひとつを月として〉〈忍者みな秋の畳を齧りけり〉〈後朝のキリマンジャロの深さかな〉〈薄味にカタストロフを蝶に添へ〉〈杏壇住僻雖宜病 あんず咲く鄙の住まひは平穏でヴァカンス気分もてあましたり〉〈吾有剪刀磨未試 切れ味をいまだ試さぬ鋏かな研ぎし日のまま胸に蔵(しま)ひて〉〈うその数だけうつつはありやあれは花守プルースト〉〈千のナイフを隠した鳥がそつと抜け出す古書の森〉〈髏众甃 されかうべ/ひとがあつまる/いしだたみ〉2022/12/23
Mimi Ichinohe
4
小津夜景さんの句集。言葉のスキップしているよう。/風鈴屋まつりのあとの夢を売り→風鈴が響かせるのは、きっと思い出から吹く風の音。/香水のちがふ白河夜船かな→それは別の誰かかもしれないし、別の自分かもしれない。/夕映えの櫂を入江にさしいれぬ→短い時間の切り取り方が好き。3文字の漢詩も凄くてこれが一番好き「英娘鏖」(はなさいてみのらぬむすめみなごろし)2024/12/20
garyou
4
書店に平積みになっていたところに出会った。本屋に行かなければ出会えなかった本だ。手にとって一読「こういう句集が読みたかったんだ」とつくづく思った。本屋通いはやめられない。句もいいけれど、「贈陳商」もとてもいい。なにもなにも好き。2023/04/22
Cell 44
3
かなり最高だった。初期加藤郁乎が好きな方などもぜひ。2023/08/15
garyou
2
句集は手に入れづらいものも多く図書館で見つかればラッキーという感じかなと思っているのだが、手元にあるとこうしい読み返したいときに読み返せるのだなあとしみじみ思う。 暑いせいか冬の句に惹かれたりする。「粉雪やCHANLEに似合ふ銀煙管」とか。忍者の句もユーモラスで好き。2023/07/26
-
- 電子書籍
- 償いの結婚【分冊】 11巻 ハーレクイ…
-
- 和書
- 三人暮らし 角川文庫