出版社内容情報
【心の底から歌った〈おにぎり〉がある】
明日、生きているのか。
ぎりぎりの声があなたの扉を開ける。
(加藤治郎)
[自選短歌五首]
レジ打ちの青年ユリ根に戸惑いて何かと思いましたと笑う
きみのこともっとしにたい 青空の青そのものが神さまの誤字
コンビニに生まれかわってしまってもクセ毛で俺と気づいてほしい
生きていく 求人サイトの検索に「一人でできる」とまず打ち込んで
非正規とバイトの恋は非正規がバイトのぶんを多く支払う
西村 曜[ニシムラ アキラ]
著・文・その他
目次
1(毎日がサタディ;あえか;帰還兵 ほか)
2(一人でできる;僕はおにぎりが食べたい;water)
3(言わない;駅前の喫茶店;象ならば象のかたちになるものを ほか)
著者等紹介
西村曜[ニシムラアキラ]
1990年滋賀県生まれ。2015年短歌をはじめる。2016年未来短歌会入会(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KI
41
会いたいが 会いたかったに 変わった日 心がどこに あるのかを知る2020/05/06
ふみ
34
西村さんは死線を越えてきた人、という印象が何故かあって、そして他人の命をやさしくやさしく承認してくれる人という気もしてる。(やさしい歌ばかりではないのだけど)明日も生きよう。2018/08/09
ひみこ@絵本とwankoが大好き♪
23
図書館で表紙につられて、借りる。ふんふん、そうそうとよーくわかるものもあれば、?の一文字のものもあった。やっぱり私は凡人です😅でも、私にとって短歌は、身近で優しい歌になった。2019/03/26
uD
22
印象に残ったものをいくつか。 「持ってません温めません付けません要りませんいえ泣いていません」 「三センチグラスに残ったコーヒーであと三時間あなたといたい」 「かんたんひ死ぬと言うなとかんたんに言うな夜中の雨は見えない」 「暴動のニュースを消せば暴動は消える僕らの手のひらのうえ」 「シマウマが水玉模様の世界ならたぶんきみとは恋仲だった」 グラスを傾けながら声に出して読んでいたら、思わず短歌を詠みたくなった。そして魔が差してほんとに作ってしまった。 書評見て惹かれ探して手に入れて読んで零れて沁みて溢れて2020/05/22
マコ
10
この人の垢抜けない「俺」の使い方とかおしっこくさい感じが自分のダサさを思い知らされるようだった。それまで性別なんて意識してなかったのに目に入った自分の手が女の人の手だった歌に共感。同じことあったな。僕たちの一人ひとりに付きまとう※個人の感想ですのテロップ/持ってません温めません付けません要りませんいえ泣いていません/「Smileの綴りはスミレとおぼえてた」どうりでそんなふうに微笑む/死にたい、はいつか詩になる飛行機は飛行機雲を空においてく/レモンパイ選ぶ手つきがもう夏で、わたし女のひとの手してる2020/07/19