内容説明
あなたを変えるポエジーの渦、明日の詩歌のためのシンポシオン。短歌250首、詩13篇を収録。
目次
1(なぼこふ;花;はつなつひかる;散緒 ほか)
2(沃野の風;デネブ発アルビレオ行;ひなたのゆめ;霜の花 ほか)
著者等紹介
中家菜津子[ナカイエナツコ]
1975年東京生まれ。18年間北海道で過ごす。2012年未来短歌会入会、加藤治郎に師事。2013年詩歌トライアスロン最優秀作品「うずく、まる」。2013年第24回歌壇賞候補作「沃野の風」。2014年第25回歌壇賞候補作「霜の花」(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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太田青磁
22
泡雪を眺めてばかり丸窓の猫は(ね)の字のかたちに眠る・まっすぐな一本道の果てに立つポストに海を投函した日・うずく、まるわたしはあらゆるまるになる月のひかりの信号機前・前髪を5ミリ切るときやわらかなまぶたを鋏の先に感じる・ゴッホとかサンドイッチの耳のこと気になったまま学校へ行く・水銀式体温計のひややかな硝子に腋の微熱をうつす・点滴の右手を庇い本を読む装飾文字はほどけていった・君のうで半島としてつかむとき指のすきまに風はうまれる・やわらかな月のゆばりを浴びるのはひばりの声をさえぎった窓2015/09/12
ぽち
16
後期コルトレーンの演奏を「いまの彼の音楽は詩人にしか理解できない」と言ったのがコンボのメンバーだったのだな。気にはなるけど購入するには至らないのが詩集、歌集、で先日書店で物色中平台に目を引く装丁、手にとってみるとその下には別の本が、抜き出され、戻されなかったのだろう、パラパラやってるうちに囚われかけられる、海外文学なんかと比べると文字数が少なく割高、などと見当違いの貧乏性を、がインディペンデントの音楽や名前もしらない文学との、それはやっぱり出会いなので、せめて人と、以外のそれくらいは大事にしようかとおもう2016/02/06
ディディエ・メラ
12
俵万智さんの「サラダ記念日」以降、久々にジーンときた歌集。若い歌人なので言葉を飾り過ぎる傾向が若干見えるものの、それも含めて全体的な言葉の煌めきに圧倒される。必読の価値あり。※散文詩も収められているけれど、個人的には短歌の方が完成度が高いと感じた。2015/07/14
トマス
4
第一回詩歌トライアスロングランプリ受賞作を含む詩歌集。短歌中心の構成だが、現代詩と融合した部分に言葉のエネルギーが充溢していて、単純に歌集で括ってはもったいない。特に表題作は、命の重さをテーマに様々な感情が詩の形で爆発しており、衝撃が大きかった。2019/12/01
風乃茉琴
4
中家菜津子さんのうずく、まるを読んだ。詩と短歌を一冊に入れた本で、最初に読んだ時は、クラシックとポップスを融合させて唄っていた、藤沢ノリマサさんを思い出した。中家さんも藤沢さんも、北海道で育った所為か詩だけでなく、クラシックだけでない、大きさがあるなというのが一番の思い。とても、穏やかな中に強いものを感じました。次回の詩歌集がとても楽しみですです。