内容説明
言葉と文化の壁にぶつかって、言葉やコミュニケーションと格闘してきたコーダ(CODA=ろうの親をもつ聞こえる子ども)が、半生を通して考えてきた手話通訳論。
目次
第1部 中途コーダの手話通訳論(中途コーダ;手話通訳者になる;新たな仕事と東日本大震災)
第2部 私と手話通訳(未知の世界への扉を開く;手話通訳レッスンDVDとその活用;手話通訳前の準備;DVD「手話通訳レッスン」初心者コース1~15紹介)
著者等紹介
宮澤典子[ミヤザワノリコ]
1960年、宮城県生まれ。ろうの両親のもとに生まれた聴者(コーダ)。大学進学後、手話を学ぶ。両親のろうあ協会の活動を手伝ううちに手話通訳活動へ。国立障害者リハビリテーションセンター学院手話通訳学科教官、一般社団法人全国手話通訳問題研究会理事、宮城県手話通訳問題研究会会長、一般社団法人宮城県聴覚障害者福祉会事務局長、手話通訳士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tellme0112
10
読んでてつらかった。手話じゃないけどなんちゃって通訳やってた時期あって…思いがけず自分のトラウマと向き合うことになってしまった。途中で通訳方面への道を挑戦したり挫折したのは、「通訳者」の視点ではいられなかったからなんだな。震災の話は本当にしんどかった。やはり準備不足だというのは分かっていても、引き受けなきゃならないから受けて自分自身も傷ついているってところがね…。泣けるよ。学習会開くとか、失敗してからの対策もいいね、こんなやり方があったんだ。もうちょっと自分の気持ちを整理するわ。2021/03/11
宝塚けんけん
1
CODAの方は自然と手話を身につけられるのかなと思っていたが、本書を読んでとんでもないことが、良くわかった。家庭内で自分以外がろう者であれば少数派となり、コミュニケーションに大変苦労する事がわかった。著者はそこを苦労して乗り越えられたので、筋金入りの手話通訳者だと思う。苦労した人は順調に来た人と違い上手く出来ない人の苦労と問題点の認識の幅が大きいので、指導者となったた時の初心者に対する幅広い厚みのある理解力と応用力が活かされる。体験に裏付けられた具体的記述は読む人の心を打つ。これから手話を学ぶ人に推薦する2021/01/24
ドシル
1
全通研の研究誌に連載されていた内容が、1冊にまとまり更に連載されていたものには含まれていないものがプラスされている。著者は手話通訳士であり、通訳養成も行っているコーダである。私も個人的に、宮澤さんの通訳にはあこがれがあり通訳している様子を見る機会があればしっかり目に焼き付け、耳をすませて手話や日本語の語彙選択など注視してしまう。手話通訳者や目指している人には必読の本。2016/02/09
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