目次
1 三島由紀夫に見る橋川文三の影響―「英霊の声」以後
2 「文化防衛論」をめぐる応酬―三島と橋川の意外な関係
3 「秘宴」としての戦争と「死の共同体」
4 「前に進んだ」三島と「引き返した」橋川
補論1 辿りついた戦後の虚妄―「葉隠」をめぐって
補論2 橋川文三と戦後―「橋川文三日記」を手がかりに
三島由紀夫と橋川文三 註
著者等紹介
宮嶋繁明[ミヤジマシゲアキ]
1950年、長野県生まれ。松本深志高校、明治大学政経学部政治学科卒業。学生時代、橋川文三に師事。近代日本政治思想史専攻。卒業後、フリーエディターなどを経て、現在、編集プロダクション代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
3
ふむ2024/03/10
もりおか
0
名声も富も欲しいままにしていたはずの三島が感じていた絶望的な孤独感への、数少ない理解者、橋川文三。実は一度も会った事もない、というのは面白い。会ったことのない人にここまで信頼を置いたり自分の一番の理解者である、と断言するのは難しい。論調的には、経験に基づく思考のベクトルが対局に向ったが故に一見対立しているように見えるが、実は一番の擁護者で賛同者であったのでは?というもの。ちょこちょこ引用されてる色々な人のセンテンスが面白い。2015/05/29
Ikkoku-Kan Is Forever..!!
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「三島にとっての橋川」についてはわからないけれど、「橋川にとっての三島」は本書で示されている通りだと思う。いづれにせよ、「橋川文三にとって三島由紀夫とは何であるか」という問いは、橋川を考える上で一つのポイントだと思う。私の興味は、曰く、なぜ、橋川は『序説』を書かなければならなかったのか。その後の超国家主義論への展開の「必然性」は何か、という点で、少し、丸山眞男との比較で考えてみたい。でも、結局、その違いは「戦争体験」のあり方で、そうすると「橋川と三島」という問いに還ってくる感。2012/06/26