目次
卒業式
辛口。
カーソル
学籍番号20109BRU
拒食症だった私へ
学祭/映画制作サークル
数百本の睫毛
後遺症
Re:Re:Re:白梅
麒麟麦酒の夜、あるいは、ある別れ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
8
著者が大学生であった四年間の歌を収録。「透明にことばは濁る 一文字にひともじ重ね本とじるとき」「なんのためのしぐさだろうか指ひとつずつやわらかく折り曲げられて」「満ち潮のような闇なり椅子の脚浸されゆくを見てしまいたり」2023/10/05
不在証明
8
「精神を残して全部あげたからわたしのことはさん付けで呼べ」「もう黙れお前は喋んな冬空の眼のしたでわかきひとらは」などのぶっきらぼうで暴言に程近い言葉たちが、定型の中に収まっているところに歪んだ面白さを感じる。一冊が歌集としては厚く値段もお高いが、好みの句が多くて大変な満足。前半に集中する尖った感情の発露に胸がスッとする。「かあさんは食べさせたがるかあさんは(私に砂を)食べさせたがる」。なんでかコレが一番好き。2016/05/19
マコ
6
「花の名を呼ぶとき記憶にある声のやっぱりこれは後遺症です」康成の「別れる男に、花の名を一つ教えておきなさい。」を彷彿とさせる。「精神を残して全部あげたからわたしのことはさん付けで呼べ」、「痛みとは悟られぬよう微笑んで年下のひとに相槌をうつ」、「だれそれの妻と呼ばれて暮らすのもまたよしサンダルばかりを履いて」、「ほそながきものが好きなり折れやすくだれかれかまわず突き刺しやすい」私はスコップが武器として最強だと思う。「青空に飛行機雲が刺さってるあれを抜いたらわたしこわれる」2018/12/16
なめこ
2
突き上げられるような心地よさのある歌と、さほどでもない歌、いろいろあったけど、ときどき手をとめてノートに書き写したくなって、実際にそうしていると自分の表面が毛羽立ってくるような気持ちになる。目を離せなくなる気持ちの悪さがある。ただ解説には少し興ざめしたので、短歌界の慣習等には疎い自分だけど、同年代の女性の歌人や作家に書いてほしかったなあという気がする。解説の気持ちの悪さはぬめぬめした目をそらしたくなる気持ちの悪さだった。2014/07/20
ちさこ
0
意思のなきくちびるの美し 紅もちて死後をも笑まわす役目渡さる/第一歌集にくらべると圧倒的に文語体の歌が増えました。性を匂わす作品も多くなり、あやうい10代からの成熟が描かれています。甘酸っぱい、青臭い歌が好きな自分としてはすこし寂しい気もします。2013/03/10
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- 洋書
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