内容説明
電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。
アッシリアは、イスラエルの民を虜囚にし、敵対民族を残酷に処刑したとして、『旧約聖書』では悪役に描かれる。
だがその実像はバビロニアの先進文明に学び、長きにわたって栄えた個性的な国だ。
紀元前2000年に誕生した小さな都市国家が他国に隷従しつつも、シャルマネセル3世、サルゴン2世らの治世に勢力を拡大、世界帝国となるが、急速に衰微し、前609年に瓦解する。
その盛衰を軍事・宗教・交易など多角的に描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
サアベドラ
36
著名なシュメル史家 (競馬好き) による新書アッシリア通史。2025年刊。直近に出たアッシリア史の専門家による新書 (山田重郎『アッシリア』) と比較すると、後者では駆け足だった古王国や中王国にも紙幅を割いているのと (その分新帝国があっさりしているが)、ミタンニや新バビロニア、メディアなど周辺諸国についても書かれており、総じてこちらのほうが読みやすい。バビロニアを武力で征服するも逆に文化で征服されるところはローマとギリシアの関係を彷彿とさせる。シュメル、アッシリアと来て、次はバビロニアですかね。2025/04/21
ピオリーヌ
25
中公新書2025年の刊。紀元前2000年前後から紀元前609年まで長きにわたり続いたアッシリアの通史。昨年2024年にアッシリア関連の通史が他に二冊も出ており、読み比べるとまた楽しいだろう。本村凌二『沈黙する神々の帝国 アッシリアとペルシア』(地中海世界の歴史2)(講談社選書メチエ)、山田重郞『アッシリア 人類最古の帝国』の二冊。世界史の流れの中でアッシリアの位置付けをするならば前者を、新アッシリア時代をさらに知りたい読者には後者をお薦めすると筆者はいう。アッシュル・バニパルについての記載が印象に残った。2025/04/18
ぽんすけ
24
作者のオリエント全史が面白かったのでこちらも手に取ってみた。アッシリアって何気に1500年も続いたすごい国だったんだ。その間に何度か王統は変わっているけどそれでも凄いことだわ。あとやっぱり粘土板最強。この保存性・耐久性に優れた記録媒体がなければ、ここまで詳細に当時の社会や政治・経済のことがわからなかったことだろう。又そのお蔭でアッシリアがどうやって世界帝国へとのし上がっていったかが現代を生きる我々にも理解できるわけである。あと浮彫彫刻が本当に見事。写真をふんだんに載せてくれてるので、戦闘場面の彫刻とかから2025/10/16
ジュンジュン
19
アッシリアブーム到来!?直近でちくま新書と講談社メチエ(但しこちらはペルシアと合作)から立て続けに出版された。尤もメチエの方は肩透かしを食らったが。それでもちくまと中公から時を置かずに出るのは凄い!著者によると、昨今の情勢(ウクライナやパレスティナ)が反映されているのではと。両書とも甲乙つけがたいが、本書の魅力は1400年の歴史をバランス良く目配りされている…気がする。そうは言っても、結局は2冊とも本棚に鎮座する事になると思う。「ヒッタイト帝国」(PHP新書)と並べてね。2025/02/25
藤井宏
14
アッシリアは地政学的に農耕に適した土地であるとともに重要な鉱物を入手するにも適した位置にあった。アッシリアの商人は貴重な金属を入手するため活発に交易を行った。戦争に利用する多数の馬を育成するには適していなかったが、東方のザグロス山脈丘陵地帯やイラン高原から良馬を集めた。アッカド帝国やミタンニ王国の属国になりながらも1400年も続いたアッシリアの版図拡大と衰退の様は、現代の国の繁栄と衰退に照らし合わせて参考になるところがあります。2025/04/06
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