内容説明
「僕は君を守るために戦う(死ぬ)」。日本の映画では、いったいいつから兵士はこう言うようになったのか。そもそも家族や恋人への情愛は、戦争を否定するための論拠だったはずだ。戦後日本における戦争のナラティヴの変容を明らかにする。『シン・ゴジラ』『硫黄島からの手紙』『永遠の0』そして『七人の侍』…。
目次
第1章 ゴジラ物語のリアルと非リアル―平和を守るための戦いの物語から国家を守るための戦いの物語が生まれるまで(『シン・ゴジラ』という不可思議;物語の起源;物語の変容)
第2章 第二次大戦の記憶と物語―国家を守ると言えない戦争の物語史(物語の統合;異なる物語;ある帰結 ほか)
第3章 『七人の侍』の政治社会学―祖国のために死ぬことを顕彰しない国家(『七人の侍』と『荒野の七人』;野武士とは誰か;武芸者たちの物語 ほか)
著者等紹介
渡部純[ワタナベジュン]
1962年生まれ。東北大学法学部卒、京都大学博士(法学)。日本学術振興会特別研究員、弘前大学人文学部助教授(当時)、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員などを経て、明治学院大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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