内容説明
国民的ドラマと言われて久しいNHK大河ドラマ。映画にも負けない本格的歴史ドラマとしての評価も高かったが…なぜか近年、「何かがおかしい」との批判や不満も高まってきている。単に「昔はよかった」的な懐古趣味なのか。それとも大河は変わってしまったのか。大河ドラマを愛し、ともに歩んできた15人の論者たちが、大河に寄せる熱い思いと、愛するが故の厳しい意見を披露する。全50作品のダイジェスト&データも、資料として掲載。
目次
1 懐旧の章―懐かしの作品と私(私選・名作、名キャラクターBEST5(春日太一)
大河ドラマとワタシの幸せな時代(みなもと太郎) ほか)
2 内聞の章―私だけが知る大河の内幕(フィクションと史実のせめぎあい(小和田哲男)
大河ドラマの夢(竹山洋) ほか)
3 考究の章―私の大河・歴史ドラマ論(神風伝説と歴史ドラマの役割(田岡俊次)
大河ドラマと日本古代史(遠山美都男) ほか)
4 資料篇(大河ドラマ全50作データベース;大河ドラマ視聴率等一覧 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちばと~る
16
歴オタ&大河ドラママニアにワタクシとしてはわ見逃せない!本…と思って読んでみましたが~期待ハズレ!!歴史研究者やら時代劇評論家やらが雁首揃えて大河ドラマの批判やら愚痴ばっかりでウンザリです。しかも殆ど大して見てないヤツまで偉そうにコメントしてるし。大河はあくまでもドラマであって、歴史のお勉強の教材じゃないのです!多少史実とズレててもそこを許容する度量ってのが無いのかね…歴史上のあの一場面をどんなキャストがどんな芝居や演出で魅せてくれるのかが大河ドラマの正しい楽しみ方っすね~買って損した!Wikipedia2012/03/19
オリーブ
9
大河をリアルタイムで観たのは昨年の「官兵衛」が初めてで後は「龍馬伝」をBSの再放送で、そして今、放送中の「花燃ゆ」も観ている。過去の大河はほとんど観ていないのが悔やまれているところに、この本の存在を知った。歴史専門家、時代考証、大河ファン・・と色々な視点からの大河が語られていてどれもリアルタイムで観なかったことを悔しく思う。大河に選ばれる人物が当時の日本が直面していた社会問題に見事に重なるのだそうだ。そんな歴史人たちを身近に感じたり自分を重ねて勇気を貰ったりするところが大河の醍醐味なのかもしれないと感じた2015/03/24
二分五厘
3
歴史研究家やライター、漫画家からタレントまで、15人の大河ドラマ好きがそれぞれ書きたいことを書き放つ三章までと、資料編の四章。自分の好きな大河やキャストの考察、人それぞれで面白い。初めて観た大河は『黄金の日々』。当時戦国史に興味を持ち始めたところで、教科書見ながら毎週観てたっけ。ところが一番好きだったのは武将ではなく教科書に絶対載らない石川五右衛門(根津甚八)というw。橋田ファミリーで固めた『おんな太閤記』も強烈な印象に残る。大河で登場を望む人物聖徳太子?平安遷都あたりまでの古代通史なら観てみたいかも。2016/01/21
kokada_jnet
2
近年のホームドラマ化した大河ドラマは、橋田寿賀子「おんな太閤記」の影響下にあるという宝泉薫論考に、なるほどと思っていたら。近年の、戦国時代物の考証を担当している歴史学者・小和田哲男が、「戦国時代の女性の立場は、従来の通説より強いと考え、女たちが意見するシーンを自分が頼んでいれてもらった」と書いていて、えーーーッ??となる。2012/04/09
shushu
1
タレント、考証者、脚本家、他様々な立場から書かれている。大事なのは「歴史」と「わかりやすさ」のバランス、その時代を特徴づける感覚のようなものはできれば損なわないようにしてもらいたい、という松村邦洋が一番しっくりきた。小谷野敦が自著を「東大卒の若者が担当編集者だったが、大河ドラマを観たことがなく、そのせいもあろうか、間違いだらけになってしまった」と開き直っているのに苦笑。2018/03/18