内容説明
本書で取り上げる「絵作りの秘訣」は、マルコスが、素晴らしいアートワーク、フレームからあふれ出すエネルギーを創造するために使っている、構図のためのツールです。ビジュアルでストーリーを伝えるには、フレームのフォーマット(縦横比・サイズ)に関わらず、プッシュとプル(押す・引く)、緊張と弛緩(テンション・リラックス)、圧迫と解放(プレッシャー・リリース)、均衡と不均衡(バランス・アンバランス)といった、フレーム内のダイナミクスを考慮する必要があります。映画館やホームシアター、ソーシャルメディア、個人用の各種デバイスなど、さまざまな出力フォーマットが混在する現代では、映画、ゲーム、アニメーション、グラフィックノベルなど、どんな業界でも、横長、縦長、正方形などの各種フォーマットの違いを知り、それを利点に変える方法を学ぶべきです。本書で伝えたいのは、フォーマットによる制約を受けずに済ませる回避策ではありません。各種フォーマットに応じてデザインするという難題を読者のみなさんと一緒に受け止め、それに挑もうというのです。マルコスによる名著「クライマックスまで誘い込む絵作りの秘訣」とともに、手元に置いていただきたい一冊です。知識の幅を広げ、優れたビジュアルストーリーテラーへと成長するための基礎を作ってくれます。
目次
1 フレームの空間(と、その中のエネルギー)を利用する
2 構図におけるフロー基本
3 構図におけるフロー実践演習
4 構図におけるフロー群衆を描く
5 1.85:1と2.35:1のわずかな違い
6 題材とフォーマットの不一致に対処する
7 画面の分割三分割法、二分割法、四分割法の構図
8 短いシーケンスのキーショットを検討する
9 グラフィックノベルのコマ
10 プロセスとギャラリーの分析
著者等紹介
マテウ=メストレ,マルコス[マテウメストレ,マルコス] [Mateu‐Mestre,Marcos]
スペインのパルマ・デ・マヨルカ生まれ。リードアニメーションデザイナーであり、グラフィックノベルアーティストとして活躍しています。長編アニメーションの業界での経験は、30年を超えました。クレジットされた主な映画作品には、「バルト」「プリンス・オブ・エジプト」「サーフズ・アップ」「ヒックとドラゴン2」などがあります。長編映画の制作においては、主にドリームワークス・アニメーション、ネットフリックス・アニメーション、ソニー・ピクチャーズアニメーションの作品に参加し、デザインおよびシネマティックの観点からの構図、ライティング、ビジュアルコンティニュイティを専門にしています。そのなかで培った経験は、国際的ベストセラー「クライマックスまで誘い込む絵作りの秘訣」「パースによる絵作りの秘訣 vol.1、vol.2」「ストーリーを語るドローイングの秘訣」に著されています。映画制作に参加する傍ら、ドローイング、イラストレーション、ビジュアルストーリーテリングを10年以上にわたって教えています。現在はロサンゼルス在住、Netflix作品にプロダクションデザイナーとして参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。