かぐや姫の結婚―日記が語る平安姫君の縁談事情

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  • サイズ B6判/ページ数 295p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569702889
  • NDC分類 210.36
  • Cコード C0021

出版社内容情報

世に「かぐや姫」と呼ばれた姫君、藤原実資の娘・千古の生涯を辿りながら、平安王朝の姫君たちの実状を描く。知られざる史実が続々。

平安時代の姫君たちの、知られざる素顔を描く。

平安朝の世相を生々しくつづった日記『小右記(しょうゆうき)』。

▼藤原道長とライバル関係にあった藤原実資(ふじわらのさねすけ)は、道長・頼道の全盛期の社会や政治、貴族の日常生活などを、彼の日記『小右記』に、こと細かに、55年に渡って記していた。その詳細な記述により、重要な史料となっている『小右記』だが、そこには、たくさんの記述にまぎれて、ある姫君の生涯が綴られていたのである。姫君の名は、藤原千古(ふじわらのちふる)。実資にとって、唯一生きて成人を迎えた最愛の娘であった。名門貴族家の姫君として生まれ、父の愛情を一身に受けて育つ千古はしかし、一方で、父実資と、同じ藤原姓の道長らとの水面下での争い、「政略結婚」の渦に巻き込まれ、思いもよらない運命をたどることとなったのである――

▼実在した人物による日記から、平安王朝を生きた姫君の人生が浮かび上がる。豪奢で華やかなイメージの貴族家の姫君たちの真の姿とは。

●序章 ふられ続ける「かぐや姫」 
●第1章 名門貴族家の姫君 
●第2章 かぐや姫の姉君たち 
●第3章 妃になれない姫君 
●第4章 かぐや姫と貴族社会 
●第5章 焦りはじめる竹取の翁 
●第6章 姫君たちの零落 
●第7章 かぐや姫の結婚 
●終章 かぐや姫の去りし後

内容説明

平安朝をうつす日記『小右記』を綴った藤原実資。かの藤原道長のライバルと言われた実資には、“千歳まで生きてほしい”との願いをこめて、千古と名づけた娘がいた。王朝貴族として幾多の縁談に翻弄される姫君、藤原千古の運命とは…。

目次

序章 ふられ続けるかぐや姫
第1章 名門貴族家の姫君
第2章 かぐや姫の姉君たち
第3章 妃になれない姫君
第4章 かぐや姫と貴族社会
第5章 焦りはじめる竹取の翁
第6章 姫君たちの零落
第7章 かぐや姫の結婚
終章 かぐや姫の去りし後

著者等紹介

繁田信一[シゲタシンイチ]
1968年東京都生まれ。東北大学文学部卒業。神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科修了。博士(歴史民俗資料学)。現在、神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

花林糖

18
(図書館本)藤原実資の愛娘千古の生涯から当時の名門貴族のお姫様の婚姻事情を解説した本。因みに竹取物語のかぐや姫は全く関係ありません。実資の著書「小右記」を元にした教科書の様な硬さのある文章で、多少目が滑る箇所もありましたが、当時(道長一門全盛期)の貴族社会が丁寧に説明されていて読み応えありました。第六章の姫君たちの零落が読みやすく興味深かったです。2020/09/27

魚京童!

17
私の思っているかぐや姫と違って、意味がわからなかった。月に行く話じゃないなら、そうやって最初に書いておいてほしいよね。それと読メの検索が悪くなったよね。Amazon優先しすぎて、図書館にしかない本がひっかからなくなった。不便になったものだ。Amazon様様だからしょうがないよね。国会図書館が検索できるようにすればいいのに。2023/04/12

Toska

16
ケレン味あふれるタイトルだが、この「かぐや姫」は歴とした実在の人物(のあだ名)であり、平安時代に生きた姫君。父・藤原実資が膨大な日記を残した記録魔で、さらに相当の親馬鹿でもあったことから、当時の貴族女性の実態が分かる貴重な事例となっている。日記を基に彼ら親娘の人生を追っていくうち、著者も感情移入してしまったのか、最後は思いがけず感傷的な筆致に。何が起きたのかは是非本文を読んでいただきたい。2024/11/02

遊未

10
藤原実資の一人娘千古の物語を小右記から。したがって本人の気持ちは不明。しかし、入内すべき身分に生まれながら、様々な事情で入内できなかった女性の結婚がいかに困難であったことか。狭い社会で相手の数は少なく、親が零落すれば女房勤めを強制され、おそらくは苛められる。結婚しながら、娘は早世し孫もなく、おそらく認知症であったあろう最晩年が気の毒です。2022/03/27

ユキタ

6
図書館。大河ですっかり推しキャラとなった藤原実資の親バカ大爆発ぶりが楽しめる、平安貴族の姫君の婚姻事情。いくぶん、小右記の行間を読みすぎてる部分もあるが、概ね面白かった。ただ書き方が迂遠というかややこしいというか、もっとスッキリした書き方だったら読みやすく楽しめたと思う。2024/03/15

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