内容説明
ドイツの精神史から読みとる、「再生」への道のり。理想と現実、技術と自然、進化と再生―古代・中世から現代に至る、矛盾と葛藤の中からひらかれた、新しい統一的人間像。その試行錯誤の道程を、ドイツ文学・哲学研究の旗手たちの思索によってたどる。
目次
1 中世とバロック:神話から救済へ(「わたしは若木のような新たな姿となって星々にのぼっていく」―古代から中世にいたる「死と再生」の形象について;ヤーコプ・ベーメにおける「再生」思想―光と闇とを分解する聖霊の働きを中心に)
2 近代:新しい人間の創造(シラーの美的「群体」とトランブレーの「ヒドラ・ポリプ」;近代開始期の「新生」への夢)
3 世紀転換期:ダーウィニズムと超人思想(道徳の育種家としてのニヒリスト―ニーチェとダーウィニズム;「有機体としての国家」―もう一つの「超人」の夢)
4 現代:技術時代のユートピア(反暴力のユートピア―ローベルト・ムージルの『特性のない男』における神秘主義的言説の検証;労働への動員か遊戯への接続か―エルンスト・ユンガーの「有機的構成」とベンヤミンの「集合体」について)
著者等紹介
香田芳樹[コウダヨシキ]
慶應義塾大学文学部教授。広島大学大学院博士課程、フライブルク大学(スイス)博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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