目次
二〇一四年
二〇一五年
二〇一六年
二〇一七年
二〇一八年
著者等紹介
宇多喜代子[ウダキヨコ]
昭和10年、山口県生まれ。俳誌「獅林」を経て「草苑」にて桂信子に師事。現在「草樹」会員。現代俳句協会特別顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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qoop
3
自分で句集を買って読んだのは初めてかも知れない。事前に情報を入れず表紙や題名などの第一印象で買おうと決めたが、正解だったのではないか。十七文字の連なりの中に風景が描かれていて心理が伝わってきて、今の自分が俳句と聞いて感じる要件が満たされた気がする。 /なかなかのもの万願寺唐辛子/塗椀を出して納めて松過ぎぬ/子猫抱きかたむき歩く女の子/白梅やこの家の百年二百年/ピンで刺す揚羽心臓はこのあたり/蛇の手とおぼしきところよく動く/芒原死者が生者をいたわりて/冬の街弟のほかみな長寿 これぞ前衛真夏の草の曲がりよう2021/06/09
Э0!P!
2
岩走る水の巻き込む日の光、永劫と瞬時をここに滝飛沫、この郷の湧水尽きず蝶尽きず、秋日濃し猫の形に猫の影、今更の風鈴を吊り老夫婦、樟落ち葉肩打つ膝打つ我が戦後、颯颯と木の葉降るとき風も降る2023/11/05
豆ぐみ
1
2018年、青磁社刊。著者の第8句集。好きな句を10句に絞ると 芽吹く木の騒騒と一山をなす もてあますわが体温や麦の秋 瞑目のままの梟の剛毅 梅雨鯰永田耕衣に似てにんまり 羚羊がいるこれ以上近づけぬ 冬の月わが天動説のまま動く 朧夜の戦車は蹲るかたち 燕くる空を綺麗にして待てば 秋思厄介細胞六十兆のわれ (前書「また八月 八句」のうち) 終生の目の底を這う炎かな 好きな句集。骨太な印象を受けました。一物仕立てで大景も宇宙も戦争もわが身も詠む。たまの漢語もぴしっとした感じ。 2019/04/12
せっか
1
「ふくろうのふの字の軽さああ眠い」 「秋の夜や終わらねばなにも始まらぬ」 2019/01/05