出版社内容情報
書き下ろし長篇歴史小説
2022年NHK大河ドラマ
『鎌倉殿の13人』を差配した影の主役、北条政子!
北条時政の長女であって宗時、義時の姉。源頼朝の正妻にして頼家・実朝の母。頼朝没後は尼将軍として鎌倉幕府を実質差配。幕府守護のためには実子も見捨て、承久の変では三上皇を隠岐などに配流した鋼鉄の女帝。
万寿(政子)は義時の正室の兄にあたる伊賀光季(みつすえ)と、大江広元の子息の大江親広(ちかひろ)を、京都守護として派遣した。後鳥羽院に無言の圧力をかける方策だった。
これらはすべて万寿が将軍職を代行して発令したものだった。実朝在世の時期からすでに万寿は鎌倉の最高権威であったが、将軍が不在となったいまは、その権威をあからさまに示して御家人たちを差配することになった。(中略)実際は万寿が幕府を差配し、「尼将軍」と呼ばれていた。――本文より
内容説明
書き下ろし長篇歴史小説。2022年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を差配した影の主役、北条政子!
著者等紹介
三田誠広[ミタマサヒロ]
1948年、大阪生まれ。早稲田大学文学部卒業。77年『僕って何』で芥川賞受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Book Lover Mr.Garakuta
17
【図書館本】【速読】:鎌倉時代のお家存亡をかけた、話で、当時の中枢を握っていた尼将軍北条政子の物語。暗殺裏切りの応酬だった。結構血で血を争う話だったが、あんまり詳しく知らない時代なので、好奇心旺盛で読んだ。2021/11/03
ちょこちん
12
★★☆☆☆ 北条政子と言えば、岩下志摩の世代・・・2022/05/02
kanki
12
実質、第4代将軍政子。貧弱に描かれた頼朝。石橋山の戦いは、東国武士統一へのパフォーマンスだったのか2021/12/14
乱読家 護る会支持!
5
鎌倉幕府は、日本史上、初めて朝廷を超える権力を手にした統治機構。源氏の威光と各武家のパワーバランスの均衡の上に成り立っていた鎌倉幕府なので、ちょっとしたことでパワーバランスを失ってしまうことが多く、その都度、北条政子と弟の義時が機先を制する動きで、ある時は争いごとに勝ち、ある時は首謀者を誅殺/暗殺していきます。。。 実力や成果ではなく、人間関係をコントロールして、自分の上を越していこうとする人たちを排除していく権力争い。 このことは、武士の時代に限らず、本質的には今の時代も同じだと思いますね。2022/04/19
田中峰和
5
源氏の嫡流・頼朝は血統の正しさから、東国の武士たちに祭り上げられる。北条家は彼を利用して政権を勝ち取っていく。中でも政子は父や弟よりはるかに権力欲が強く。台盤所として頼朝に運命を託す。異母弟の宗時と結婚して北条家を継ぐことを考えていた政子だが、頼朝との政略結婚を計画する父兄に説得されて源氏の嫁となる。その気の強さは、頼朝の浮気を許さず、父親まで追放してしまう。尼将軍を主人公にすれば、頼朝の影は薄くなって当然。出来損ないの頼家を殺害し、貴族趣味の実朝まで殺させてしまう。来年の大河ドラマの予習に最適の本。2021/12/14
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