内容説明
世界的アート・コレクターにして美大教授による新しい修復保存の教科書。仏像、古文書、洋画、日本画からフィルムやデジタル・データまで、あらゆる分野の修復保存方法をわかりやすく解説。
目次
第1章 美術作品にはどのような劣化や損傷が生じるか?
第2章 修復前の作品状態調査
第3章 絵画作品の修復を知る
第4章 紙作品・資料の修復を知る
第5章 立体作品の修復を知る
第6章 タイムベースド・メディア作品の修復を知る
著者等紹介
宮津大輔[ミヤツダイスケ]
アート・コレクター、横浜美術大学教授、森美術館理事。1963年東京都出身。広告代理店、上場企業の広報・人事管理職を経て大学教授に転身。横浜美術大学第三代学長として改革を推進し、コロナ禍におけるV字回復を達成。また、既存の芸術祭とは異なる「紀南アートウィーク2021」の芸術監督として、斯界に新風を吹き込む。他方、世界的な現代アートのコレクター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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アキ
97
約2万年前に描かれたラスコー洞窟の壁画が残っているのに、694年頃描かれ1972年発見された高松塚古墳壁画は2000年代にカビの大量発生や劣化で12年もの修復作業と27億円もの費用が掛かった。自然災害が多く湿度が高いわが国では、保存に細心の注意が必要なのでしょう。現在世界中の美術館では作品を保存するのに適した20〜22℃、湿度50〜55%を24時間一定にする恒温恒湿管理を行なっている。1873年ドイツ語のkunstgewerbeを美術と翻訳した「洋画」の修復に20世紀初頭から和紙が使われてきた記録がある。2022/08/11
Akki
4
4月初め、ふらっと地元の美術館へ足を運び、静かで穏やかで心が満たされる感覚を得ながら手に取った本。手仕事への憧れが強いから、こういう本は大好き。教科書チックな構成で、タイトル通りの内容。修復保存の手法を知りたい人には分かりやすいはず。2023/04/30
hiro6636
1
図書館。2022/08/02
Go Extreme
1
美術作品にはどのような劣化や損傷が生じるか?: 展示や保存時の環境が原因 生物が原因 自然災害が原因 人が原因 人為的な損傷 修復前の作品状態調査 絵画作品の修復を知る: 八日の歴史 フレスコの技法と材料 テンペラの技法と材料 油絵具の歴史 日本画の歴史 日本画の技法と材料 日本画作品の劣化と損傷 日本画作品の修復措置 紙作品・資料の修復を知る 立体作品の修復を知る タイムベースド・メディア作品の修復を知る: ブロックチェーンの作品保存への活用 新しい技術の進展に伴う今後の展望2022/07/06
山のトンネル
1
丁寧。2022/07/06