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内容説明
恐怖は人間の普遍的な感情のひとつです。忌み嫌いながらも、「怖いもの見たさ」という言葉が表すように、同時に強烈な好奇心を呼び起こすものでもあります。本書では、江戸の人びとが抱いたさまざまな恐怖のイメージを、生前の恨みをはらす「幽霊」、鬼・海坊主・土蜘蛛などの異形の「化け物」、凄惨な「血みどろ絵」の3本柱でご紹介します。
目次
1 幽霊
2 化け物
3 血みどろ絵
座談会 「怖い」を愉しむ 佐野史郎×五味弘文×日野原健司×渡邉晃
著者等紹介
日野原健司[ヒノハラケンジ]
1974年千葉県生。慶應義塾大学大学院文学研究科前期博士課程修了。太田記念美術館主席学芸員
渡邉晃[ワタナベアキラ]
1976年東京都生。筑波大学大学院博士課程芸術学研究科修了。太田記念美術館主幹学芸員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
62
幽霊や妖怪といった怪異をテーマにした浮世絵集。全体が幽霊、妖怪、無残絵の三つに分けられ、それぞれが独特の魅力を放っている。この分野では鉄板とでも言うべき有名な作品はほぼ収録されていて、別の本どころか実物を見た事があるものも多いのであるが、それでもこうしてまとめられていると圧巻であるな。北斎の笑ひはんにゃの凄みを再確認したり、芳年の無残絵を堪能したり。無残絵は英名二十八衆句はさることながら、新聞浮世絵が何とも凄い。生きながら狼に食べられる図とかひたすら凄惨。静謐から猥雑まで、兎に角浮世絵の凄みを体験出来た。2017/02/05
10$の恋
34
有名絵師による背筋も凍る浮世絵…ギャー!その絵の多くが歌舞伎で演じられた一場面らしい。魑魅魍魎の化け物やら悲劇の武士、或いは怪談話の主役…、それはもうページを捲る度に「怖さ」が押し寄せる。浮世絵独特のリアルさ、細部に渡って訴えかけてくる無念や怨嗟は、現代の画家を凌駕しているかも。そして見逃してはいけないのは、背景画。特に着物の柄は実に多彩に細かく表現されている。描かれた当時の文化が手に取るように分かる。文庫本によくこれだけ浮世絵と短的に分かる説明を詰め込めたものだと感心した。現物の作品も見てみたいぞ!2024/02/29
ぶんぶん
15
【図書館】暇つぶしに良さそうなので借りて来た。 「幽霊」とか「化け物」や「血みどろ」の画を集めたモノなのですが、浮世絵の様式美が綺麗です。 真剣に描かれたものや滑稽なもの、様々に浮世絵の技術を駆使して表現されています。 怖いもの見たさと言うより、浮世絵の表現方法を改めて見つめ直した数時間でした。 295P、たっぷり楽しめました、ほとんどがオールカラーで臨場感満載ですよ。 「国芳」「国貞」「北斎」「芳年」やっぱり良いなぁ。2017/05/03
たか
14
なんとなく手にとってみた。有名な浮世絵師もたくさん怖い浮世絵かいてるんや。人が怖い話に魅かれるのは今も昔も変わらないんやな。2019/03/21
こぽぞう☆
14
天童に旅行した際、広重美術館にて購入。「浮世絵」なんだけど、古くて北斎、明治の作品も多数。一章が幽霊、二章が化け物、三章が血みどろ絵。幽霊、化け物は観たことあるものも多かったけど、血みどろ絵は初観多し。月岡芳年の「うぶめ」明治に描かれた肉質画。怖いというより、美しい。2018/08/12