内容説明
W・v・フンボルトとは何者だったのか―フンボルト研究史150年の歴史に新たな像をきざむべく、19世紀初頭のプロイセン教育改革において、人間形成思想(陶冶理論)に基づいて学校教授のヴィジョンを示し、教育改革のプロジェクトを展開したフンボルトの思考と活動の足跡をたどる。人間は世界と言語的、美的、歴史的、身体的、数学的側面から方法的に対峙する。その「知の様態」としての学問という思考様式から、学校教育と教育改革を問い直す。
目次
序論 新たなフンボルト像を求めて(先行研究の整理と研究の目的;研究方法論の検討 ほか)
第1部 陶冶理論の生成と展開(世界との方法的対峙としての陶冶理論;陶冶の政治‐社会的次元 ほか)
第2部 学校教授の構想(プロイセン教育改革の歴史的背景と学校教育の制度論的規定;学校教授の「最高原理」 ほか)
第3部 教育改革のプロジェクト(フンボルトにおける教育を「改革」することの思想と行政改革―独自性・多様性・相互作用;学術委員会の設置と教育課程の審議過程 ほか)
結論 学問中心カリキュラムの再考(研究の成果;課題と展望)
著者等紹介
宮本勇一[ミヤモトユウイチ]
1991年、東京都大田区生まれ。広島大学大学院人間社会科学研究科助教。広島大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI)教育研究推進員を経て2021年より現職。専門は教授学説史、カリキュラム、教育方法学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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