内容説明
2016年、5年目を迎えた金正恩体制は5回目の核実験を行い、国際社会を翻弄し続けている。瀬戸際外交を続ける理由は何か。粛清の真相とは? 対日米中の真の狙いは? 「何をするか分からない」脅威に潜む独自の合理性に、北朝鮮分析の第一人者・元公安調査庁幹部が迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kiki
6
北朝鮮の内部事情に精通した2人が対話形式で現状を討論している。北朝鮮軍から流出した大量の内部文書の分析にも携わった人であるため、信憑性の高い内容が多い。金正恩は、金日成・金正日体制を掲げているものの、かなり独裁的な動きが多いのも事実。米韓の動きにも敏感に反応するため、トランプ政権の北朝鮮向けの軍事行為がどういった判断を下すのかにより、北朝鮮の動きは大きく変わる。近隣国であり、米国との関係が深い日本としては、これらの動向は気になるところ。ミサイル訓練はいつまで続くのか、心配は尽きないところである。2017/04/02
Baron
2
北朝鮮って、とかくテレビとかで「異常な国」という側面ばかりが報道される傾向があるけど、実際はちゃんと北朝鮮なりに戦略を練ってミサイルを飛ばしたり核開発をし、外交をおこなっているわけであって、決して狂人の集団ではない。レッテルを貼りすぎたら本来の姿が見えなくなる、という記述には納得。 北朝鮮に詳しい識者2人の対談だからこそ、冷静に淡々と語っていて好感がもてた本だった。2017/05/24
紙狸
1
巻末資料に、朝鮮労働党規約(2016年)、朝鮮労働党の新「十大原則」(2013年)など基本資料が掲載されている。北朝鮮に関する基本的概念が整理される。たとえば「先軍政治」については、「苦難の行軍」の混乱期に、軍の役割を最大限発揮して、なんとか首領制を維持しようとした(p178)。 2017/12/14
いとーちゃん
0
書店では明日にでも核攻撃か!みたいなノリの本も散見されますが、本書は客観的な情報分析、公正な解析を旨としており、変に煽るでなし、大変勉強になりました。2018/01/26
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- ジャパンタイムズ社説集 2016年上半期