内容説明
海を渡る「日本語教師」という幻想と実像―女性が8割を占める日本語教師。グローバル化の進む日本国内で日本語教育の強化が叫ばれる一方、海外で活動する彼女らの実態はほとんど知られていない。現場経験者のアンケート回答とライフヒストリーをもとに、日本語教師の育成とキャリア形成の課題について考える。
目次
第1部 国策としての日本語教育の周辺(外国人大量受入れ時代の到来;日本語教育と日本語教師養成の現状;顕在化する日本語教師不足)
第2部 日本から切り離される日本語教師―青年海外協力隊日本語教育隊員の視点(青年海外協力隊について;青年海外協力隊日本語教育隊員の意識と職業観;開発協力の中の日本語教育の矛盾―青年海外協力隊日本語教育隊員たちの語りから;揺れ動く「国際協力の意義」の中で)
第3部 日本語で移動する女性たち―その人生とキャリアの語り(「海外渡航する日本女性」をめぐって;太平洋島嶼国の日本語教師から技術系企業社員へ―どうしてアメリカ人に生まれてこなかったんだろうって思っていたんです;日本語教育の職人として―このスキルがあれば世界のどこに行っても教えられる;「言語の格差」と「二重の不在」の中で―日本語教育は学問です。フランスでそれを証明できればと;世界を渡り歩く日本語専門家として―日本の文脈だけで働いていては、いい仕事はできないんです)
第4部 海外を目指す若い日本語教師のキャリア形成支援のために(移動する日本語教師の語りに見る「キャリア形成」支援の手がかり;日本語教師の「専門性」をめぐる小論―英語偏重教育の影の中で)
著者等紹介
平畑奈美[ヒラハタナミ]
筑波大学第二学群人間学類心理学専攻卒。早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程、博士後期課程修了。博士(日本語教育)。1998年から2004年まで、国際交流基金・日本外交協会よりNIS日本語教育専門家として、旧ソ連四か国に派遣。東京大学大学院工学系研究科日本語教育部門、滋賀大学国際センターを経て、東洋大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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