内容説明
江戸期より莫大な負債を抱えつつも続けられてきた歌舞伎興行は、近代化によってどのように変容したのか。稀代の興行師・十二代目守田勘弥と田村成義、松竹の動向を追うとともに、当時の上演作品を考察。明治・大正期の東京における大劇場経営の諸相を、豊富な資料をもとに究明する。
目次
第1章 守田座から新富座へ 十二代目守田勘弥―株式会社方式の試行まで(安政から文久年間の守田(森田)座
新富町移転までの守田座
明治十年前後の新富座
新富座の株式会社化
小結)
第2章 興行師田村成義―その明治十年代から二十年代(田村成義と横浜;田村成義と千歳座;歌舞伎座株式会社の設立;小結)
第3章 大正期東京の歌舞伎興行―松竹の進出(明治三十年代京都の松竹;大正期東京の松竹;大正期の市村座;帝国劇場で演じられた劇;小結)
第4章 作品の上演―興行に関わる問題を中心に(『曽我の対面』と「夜討」―黙阿弥以降;田村成義と『四千両小判梅葉』;「平山晋吉」印のある『桐一葉』台本;長谷川時雨『さくら吹雪』について;小結)
付章 歌舞伎の興行と資料(明治東京の歌舞伎番付―早稲田大学演劇博物館所蔵資料を中心に)
著者等紹介
寺田詩麻[テラダシマ]
龍谷大学文学部専任講師。1972年、東京都生まれ。2003年、早稲田大学大学院文学研究科芸術学(演劇)専攻博士後期課程を単位取得満期退学。早稲田大学演劇博物館助手、同招聘研究員などを経て、2017年より現職。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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