内容説明
小説作品はもとより、映画・舞台・ミュージカル作品としても翻案され、今なお世界中の多くの人に読まれ親しまれ続ける作品群を生み出した英国ヴィクトリア朝時代の国民的作家チャールズ・ディケンズの個人訳による本邦初の全集。
著者等紹介
田辺洋子[タナベヨウコ]
1955年広島県に生まれる(現在、広島経済大学教授)。1999年広島大学より博士(文学)号授与(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まふ
100
下巻でもポール・ドンビーの男尊女卑、空虚な権威主義が災いしてイーディスも離れてゆく。フローレンスは家を出る。航海中に遭難事故で死んだと思われていた有能な青年ウォルターが戻り、フローレンスと結婚する。ドンビーは破産して衰弱する。イーディスはフローレンスの誘いにも乗らず去ってゆく…。全編を通じて傲慢不遜なポールによる救いのない世界が続く。が、フローレンスの天使のようなやさしさが最後は勝つ、というディケンズらしい終わり方だった。今一つノリの悪い物語で、彼の代表作にはなりにくい気がした。G1000。2023/10/25
takeakisky
1
やっと、アクシデントが連べ打ちに繰り出されるようになる。後半に入ったという実感。救い、或いは赦しとしての死、対照的な顔のない死。たかがお話とは思いながらも、結末はドンビー氏に寛容すぎると、長くろくでなしぶりに付き合って来た身としては感じずにはいられない。なかなかしんどい読書だった。2024/07/20