内容説明
学校に通えたら運がいい、12歳で結婚させられなかったら運がいい。発展途上国に生まれた女の子たちの現実。
目次
1 マニシャの結婚
戦場のリタ
売春宿のサミタ
マリアの決心
アワの希望
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
69
子どもたちのために世界70カ国以上で活動する国際NGO「プラン・インターナショナル・ジャパン」編集によるフォトメッセージ。名前も知らない歳のはなれた男と結婚する「マニシャの結婚」、少女兵の「戦場のリタ」、ネパールから隣国インドに拉致された「売春宿のサミタ」、片道2時間をかけて学校に通う「アリマの決心」、国連でスピーチする「アワの希望」の5話。世界には、女性であることで不利益を被る子どもたちがいる。2018/04/14
美紀ちゃん
65
人権の課題図書。途上国の女の子の衝撃的な情況をたくさんの人に知ってほしい。女の子に生まれて良かった、女の子って楽しい!と思える日が、早く訪れますように。日本から応援したい。2014/07/09
ゆみねこ
50
日本人に生まれたことに感謝。貧しい国では女の子の地位が低いと言うことは認識していたけれど、これほどの残酷な現実がまだあるという事実にショックを受けます。今いる自分の場所で、ささやかながら何かお手伝いをしなければと決意させられました。女の子に教育を、そして男の子にも女の子を大事にする教育を。2014/07/12
姉勤
38
言いたいことはわかる。それは正解に近いだろう。しかし、この正解は、彼らから奪い、隷属させ、血を吸い続け、自らは衣食足り、礼節を知り、それが百年単位で続き、礼節はより高尚になり、その高尚さを維持するシステムも確立させた。その帝国主義の産物を世界を広げるにおいて、独りよがりでは同じ悲劇が孕む。理不尽で、痛々しく、甚だ不合理だが、かの野蛮な民族が、血を千代に継ぐための試行錯誤の結果なのかもしれない。女が不幸な社会が男だけ幸せなはずがない。歪みなら必ず戻る。我々の正解が、その歪みを解く方法かどうかを少し疑う。2018/06/08
のの
23
日本で女の子として生まれることははたして幸せなのだろうか。日頃からそんな思いを抱いていたわたしは、この本を読んでその思いをますます強くした。本に登場する女の子たちよりは確かにずっと恵まれた環境を与えられている。けれど軋轢や差別はあちこち転がっているし、依然として女の幸せは結婚出産といった価値観も残っている。それらがひとりひとりの女性性に生まれた人にどれだけ苦痛を強いているかに関しては無頓着だ。それ故「現代の日本に女の子として生まれて楽しさを享受している」人が作った本書は、どこか滑稽に感じて仕方がなかった。2012/01/15
-
- 和書
- 秘匿特権 講談社文庫