内容説明
欧米では1年に数千人から万単位の難民認定をするのに比べ、わずか十数人しか難民認定をしない難民鎖国の日本。2歳の子どもを含む2家族が、収容や強制送還におびえ、働くこともできない現状に対し、難民認定を求め、真夏の72日間、国連大学前に座り込んだ。強制退去を申し渡された家族が次々と焼身自殺を図る、まさに灼熱の中での決死の闘いとなった。彼らを支援しようと集った人々との交流を通して見えてきたものとは。
目次
「難民鎖国」不思議の国ニッポン
第1部 人権を求めて(決意の一二人;支援の始まり;UNHCRの限界と法務省の壁 ほか)
第2部 よりくわしく難民問題を知りたい人のために(二家族の思いの底にあるものは;日本の難民迫害と難民運動;ニューカン、ニンゲンニナリナサイ!)
難民問題に関する用語集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ののまる
11
難民は二度難民にされる。一度は母国で、二度目は日本政府によって。10年以上たってるけど、政府や入管は、何も変わってない。2018/09/29
遠藤三春
1
偶々手に取ったので。本自体は読みやすいが、個人個人のレポート的体裁で軽すぎる印象を受けた。私はこの出来事のことを知らなかったけど、この本が出版されたのが2005年だったから既に20年位経っているが、入管法については改善されるどころか改悪されていることに絶望する。私自身保守的な部分もあるし、埼玉在住なこともありクルド人のことはニュースで見る。なんでつてもないのに日本なんかに来るのかなと正直思っていたが、それでも日本政府や入管のやり口には嫌悪感を覚える。難民を受け入れたくないなら初めから拒否すればいいのに。2024/06/28
gkmond
0
2004年クルド人の2家族が難民認定を求め国連大学前に座り込んだ。第一部はそのルポ。第二部は日本の難民行政の解説。二部を読んでから一部を読んだ方がわかりやすいかもしれない。なんつーか、やりきれない話。2009/11/09