内容説明
明治の末年から大正期にかけ、近代的な市民意識のたかまりを背景に、文学、美術といった芸術の分野では、これまでになく個人の解放がとなえられ、自我の表現、個性の尊重が大きな価値として青年たちの心をとらえた。新しい「個性」がつぎつぎと生まれ、かれらの残した作品群は、まさに近代美術の青春として、今も輝いている。
目次
新思潮の開花―明治から大正へ
万鉄五郎〈裸体美人〉
岸田劉生〈切通之写生〉
坂本繁二郎〈魚を持って来た海女〉
小杉未醒〈水郷〉
中村彝〈エロシェンコの像〉
小出楢重〈Nの家族〉
関根正二〈信仰の悲しみ〉
村山槐多〈自画像〉