出版社内容情報
ファラデー一族を次々と血祭りに上げる姿なき殺人鬼の正体は何者か? 誰もが驚く意外な真犯人を描き出した〈アルバート・キャンピオン〉シリーズ長編第四作、待望の完訳!
内容説明
屋敷に満ちる憎悪と悪意。ファラデー一族を次々と血祭りに上げる姿なき殺人鬼の正体とは…。“アルバート・キャンピオン”シリーズの長編第四作、原書刊行から92年の時を経て遂に完訳!
著者等紹介
アリンガム,マージェリー[アリンガム,マージェリー]
本名マージェリー・ルイーズ・ヤングマン・カーター。1904年、英国ロンドン生まれ。別名マックスウェル・マーチ。文筆家の家系に育ち、16歳で長編小説を書き上げた。1923年に冒険小説“Blackkerchief Dick”を発表して以降、映画化された「霧の中の虎」(1952)や英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー賞の次点長編「殺人者の街角」(58)など、数多くの長短編を書いた。1966年、長編“Cargo of Eagles”を執筆中に死去
渕上〓平[フチガミソウヘイ]
英米文学翻訳家。海外ミステリ研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本木英朗
26
英国の黄金時代女流本格ミステリ作家のひとりである、マージェリー・アリンガムの長編のひとつである。「――この屋敷の誰かが狂ってると思う。誰なのかはわからない。誰であってもおかしくないわ」 屋敷に満ちる憎悪と悪意。ファラデー一族を次々と血祭りに上げる姿なき殺人鬼の正体とは……?という話である。これはもう、作者の他にはいない真犯人でろうか。もちろん俺は、ただただ黙って真相を聞くだけである。またいつか読もうと思う。大満足でありました!!2025/04/09
だるま
20
英国ではクリスティと肩を並べる人気作家でありながら、アメリカや日本ではそれ程に評価が高くないアリンガムの代表作の1つが本作。年老いた女主人が絶対的な権威を持つファラデー家で起こる連続殺人。探偵のキャンピオン(自らは冒険家と名乗る)が犯人探しに乗り出す。この作品が注目されるのは、全くのオリジナルのプロットだからであり、訳者は「クリスティがこのアイデアを思いついたとしても、こんなに有効に使えなかったであろう」と書いている。どれ程の物かは読者の判断次第だが、私はあまり感心出来なかった。読んで損は無いと思う程度。2023/11/02
翠埜もぐら
17
アリンガム作品には時々こういう陰惨な話がありますね。最初の被害者の腕に絡みついていた紐のトリックはなんとなく気がついてはいたのですが、えっ!そうきましたか。たしかにクリスティの「アクロイド殺し」や「オリエント急行の殺人」にならぶトリックだと思います。しかもいつもは狂言回しキャンピオンさんが珍しく活躍するわ犯罪まがいの暴力振るうわキャラ変わってない? 無作法な恐喝者や謎の徘徊者も絡んでサスペンス要素もあって、楽しくドキドキしながら読んでました。キャロライン・ファラデーは「追想」のヘレン・ヘイズで脳内映像化。2025/02/18
kyoko
15
論創海外ミステリで2023年9月発行。1931年作品でクリスティやドロシー・セイヤーズと同じ頃の英国作品らしい雰囲気のお屋敷もの。しかしわたしにとっては驚くべき謎解きだった。論創海外ミステリでこのシリーズが図書館にあるので、他の作品も読んでみようかな。探偵(冒険家)キャンピオンの魅力にはまだハマってないけど。2024/01/13
ちえり
10
【図書館本】ちょっと期待し過ぎたかも。面白くないわけではないけど、なんだかなぁ〜って感じ。うまく表現できないんだけど。それと、書かれた時代のせいか差別的な記述が気になりました。この人が犯人では?と思ったけど、見事に外れました。あの足あとについては納得できず。アガサ・クリスティにもよくあるお屋敷ものでは、なぜに働かない家族を当主は家に置いているのか…不思議。大富豪にとってはそれが普通なのかしら。私が当主なら追い出すけどな。2025/04/05
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