内容説明
裁判員、執行人、死刑囚、大臣、そして遺族。語られるかもしれない言葉たちと決して語られることのない言葉が邂逅することによって問われる、死刑という「制度」のゆらぎ。
著者等紹介
川村毅[カワムラタケシ]
劇作家、演出家、ティーファクトリー主宰。1959年東京に生まれ、横浜に育つ。1980年明治大学政治経済学部在学中に第三エロチカを旗揚げ。’02年自作プロデュースカンパニー・ティーファクトリーを設立、以降創作活動の拠点としている。『新宿八犬伝 第一巻―犬の誕生』にて’85年度第30回岸田國士戯曲賞受賞。’99年より改作を重ねた『ハムレットクローン』は、’02年パリにてJ.ラヴォーダン演出・仏訳版リーディング公演等を経て、’03年セゾンシアタープログラム東京公演、Laokoonカンプナーゲル・サマーフェスティバル(ハンブルグ)他ドイツツアー、’04年にはブラジルツアーを行った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ming2
2
2012年の初演も観たし、2021年の再演も観て戯曲を読みたくなりGET。死刑制度について、「反省と贖罪」についてなど、考えさせられる作品。モノローグだらけの作品なので、戯曲が読みやすかったと思う。2021/09/22
ほまれ
1
形式と内容のそれぞれの強度があり、戯曲単体でも読み物として面白い。2021/12/01
美夜
0
シアタートラムでの観劇後に劇場で購入。装丁が素敵。テーマは[モノローグの可能性]。舞台では役者たちがそれぞれの台詞を朗々と語っていて、(日常語ではない言葉を、よくあれだけ記憶して口に出して言えるなあ)と思っていた。活字で見てみると、戯曲というより小説のようだった。私は戯曲を読むのは苦手なのだけど、これは2回劇場で見たせいか、するすると読めた。長めのあとがきを読むと、この戯曲が今の形で上演に至るまでの経緯が分かり、現実がフィクションに与える影響について考えさせられた。2012/11/12
nightowl
0
死刑制度についての実験的作品。役の入れ替えもあったりして俳優の力量を試すようなモノローグが中心。最後は無理に終わらせなくてもよかったような...リハーサル風景を延々見ているだけなのに読みが上手くて面白い状況が生み出されればよいのかも。2021/08/03