内容説明
中国と日本の農村を40年に亘って歩き続けた著者は、両国の土壌がやせ細っていく現実と、農薬等による食料そのものの危険性を直視しその変革を、農業の「開国と自由化」に求める。環太平洋食料共同体の構築へ。
目次
第1章 新型世界食料危機―「食病」と飢餓の再来
第2章 新型世界食料危機と中国の世界戦略
第3章 新しい土地支配者と食料不安
第4章 変化の裏側―格差・環境・闇金融
第5章 新型世界食料危機と日本―埋もれる日本の食
第6章 人間と自然の共生の回復、そして食料共同体
著者等紹介
高橋五郎[タカハシゴロウ]
1948年新潟県生まれ。愛知大学在学中に中国研究に触れ、中国農業に関心を持ち始める。同大を卒業後、研究機関に在職しつつ千葉大学大学院博士課程(自然科学研究科)で農業経済理論を修得、農学博士の学位取得(1991年)。農林中金系の財団法人農村金融研究会主任研究員、宮崎産業経営大学等を経て、愛知大学現代中国学部教授兼同大国際中国学研究センター(ICCS)所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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James Hayashi
26
日本の農業は高齢化が進むが、新規就農者は極一部であり壊滅的と言い放つ。大規模化や企業化などもうたっていない。中国は先進的な農業の導入により効率良く生産性を上げることができそうだが、実際は深刻な水不足と汚染水で未来は明るいとは言えない。食糧危機の原因の表があるがこれほど深刻であり複雑化していることに驚く。著者が提唱している農業の国際分業体制TPFC(環太平洋食料共同体)は不安な未来に対し有力な手段に思える。諸機関は尽力を上げ実現に向け対処して欲しい。2017/01/29