内容説明
ハンフリー一行は恐竜らしき生物が目撃された湖へ調査に赴いた。巨大動物らしき影や、水面の妖しい波紋を目撃するなか、みなから疎まれていたメンバーの一人が変死する。発見者が孫娘だったため、魔女の血をひくという名探偵デイム・ベアトリス・ブラッドリーが現場である湖に行くのだが…。恐竜+本格ミステリという奇抜な設定を、ミッチェル女史が淡々と綴る異色作。
著者等紹介
ミッチェル,グラディス[ミッチェル,グラディス][Mitchell,Gladys]
1901~83。本名グラディス・モード・ウィニフレッド・ミッチェル。イギリス、オックスフォードシャー生まれ。ロンドン大学を卒業後、1961年の定年まで、ロンドンやミドルセックスの学校で教鞭を執った。Speedy Deathで29年に作家デビューした後、多数の長編ミステリを発表。そのほとんどでミセス・ブラッドリーが探偵役を務める。また、マルコム・トリー名義やスティーヴン・ホッカビー名義での作品もある
白須清美[シラスキヨミ]
早稲田大学第一文学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紅はこべ
28
UMAが登場のミステリ、初めて読んだ。作中でレビヤタンとも呼ばれるUMAは罪を裁くために天から遣わされたものか。呆気に取られる結末。ブラッドリー夫人の推理の理路整然さとは正反対。2015/08/30
カーゾン
4
M:怪獣も出てきてこれも”人を選ぶ”ミステリですな。ブラッドリー夫人の怪人ぶりは大人しめ。時間がある時に図書館でみかけたらどうぞ。2020/12/26
J・P・フリーマン
4
タナスグ湖で目撃された怪獣を探すため、知り合いをかき集めて素人捜索隊を結成。予定通りタナスグ湖を見張るのだが、そんななかみんなから嫌われていたメンバーの一人が死んでしまう。あらすじだけ、いやタイトルだけで冒険心を掻き立てられる作品です。しかし、読んでみると捜索隊はただ湖を見張っているだけで、怪物に襲われるとか、ハラハラするような展開はない。湖から怪獣が顔を出すところもあるのですが、それも微々たるもの。事件が起こると怪獣そっちのけになってしまうし、予想していたのとは違う話でした。2014/08/10
野田有
4
ネッシーみたいな怪獣探しと嫌われキャラ中心の英国クラシックな人物関係が延々続いていく前半部が楽しい。事件が起きてしまい操作パートが始まっちゃうと単調でつまらなくなるのがイネスの某作のよう。いやー悪ふざけ度合いでもイネスとためをはってますね。2011/10/09
ホームズ
4
シチュエーションとしてはとても面白いとは思いますが登場人物が多くややこしい感じがしてしまった。事件が起きるまでも少し長いかな。どうせなら怪獣探しの冒険小説のまま話を進めたら面白くなったのかな〜。とりあえず他の作品を読もうって気にはなりませんね。2009/07/16