著者等紹介
戸田巽［トダタツミ］
１９０６（明３９）年、神戸市生まれ。本名大阪善次。私立育英商業学校（現・育英高等学校商業科）卒業。三越百貨店の神戸店に勤める傍ら、同人誌活動に従事。１９３１（昭６）年から『猟奇』にエッセイや創作を発表。同年、『新青年』に新人として「第三の証拠」が掲載された。３３年、京都で創刊された『ぷろふいる』に参加。「幻のメリーゴーラウンド」他、多くの作品を発表。戦後も『真珠』や『ロック』などに作品を掲載。７４年には、若いころからの同人仲間と『少年』を創刊し、健筆を振るった。９２（平４）年、死去（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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geshi
29
探偵小説作品よりも女子高生の脚をガラス越しに見るという随筆『硝子越しの脚』が妙に生生しくエロティックな事が印象的。窃視趣味や、見る・見られる関係の作品が多く思えるのは、この作者が探偵小説の謎と快楽をそこに置いているからだと思う。好みなのは「エゴン・シウィーレの描く眼光」という言葉が幾度も出る『幻のメリーゴーラウンド』。オチ自体は想像がつくが、どこかしら幻想的で画像検索したくなる。『第三の証拠』のミステリ劇から不条理劇への転落も味わい深い。2016/08/20
