内容説明
シネマの大義の下で撮られたフィルムだけが、全人類に関わる。個人的な思いつき、突飛なアイディア、逞しい想像力といったものが原因となって創造されたフィルム(…)、個人の大義の下で撮られたフィルムはその個人にしか関わりがない。「シネマの魂」が原因となって創造されたフィルムだけがすべての者に関わるのだ。
目次
早すぎる、遅すぎる―映画批評は何をなすべきか
シネマの大義
ダニエル・ユイレ―メイ・デイに生まれた女
講演 ストローブ=ユイレ/フォード―そよ風の吹き抜けるサイエンス・フィクション
サパティスモとドキュメンタリー―いったい誰が影丸なのか
ポー/エプシュタイン/青山―ユリイカ対ユリイカ
万田邦敏『接吻』―A Liar’s Kiss
若松孝二『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』―道程に終わりはない
フーコー/イーストウッド―無理な芝居の一撃
山中貞雄―革命の慎み〔ほか〕
著者等紹介
廣瀬純[ヒロセジュン]
1971年東京生まれ。1999年、パリ第三大学映画視聴覚研究科DEA課程修了(フランス政府給費留学生)。2004年4月、龍谷大学経営学部講師に就任、現在は同大学同学部教授。映画批評誌「カイエ・デュ・シネマ・ジャポン」(勁草書房)及び仏・映画批評誌「VERTIGO」元編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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踊る猫
15
読みながらその熱に唸らされてしまった。著者が極めて聡明な人物であることは疑い得ないが、同時に何処か病的なものを抱えているのでは、と。だからこの本は優等生の「お勉強」の成果ではない。ドゥルーズもバルトも、ゴダールも黒沢清氏も、氏の脳の中でシェイクされて消化されて出て来た成果がこの著書なのではないか、と。本書に倣って言えばこの一冊は廣瀬氏の「クソ」なのではないか? 私自身さっぱり意味が掴めなかったところも多々あるのだけれど、それを超えても読ませられたことの意味は大きい。不良だからこそ書けたテクストと言うべきか2018/03/27
犬猫うさぎ
0
読んでない項は以下 メイ・デイに~ いったい誰が~ ユリイカ対ユリイカ 微笑みという新たな~ 時間を撃ち込まれた~ 接吻 ありがとう 若松 ゴダール マネ 無人島 命がけの ヴェンダース 大島渚 梅本洋一 甘き人生 ドヌーヴ 高倉健 シャブロル グスマン 清順 あとがき2018/06/20