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内容説明
渋沢龍彦がその冷艶な美しさに耽溺した『マグダラのマリア』で知られ、人妻を誘拐した罪でヴェネツィアを追放されたスキャンダラスなルネサンスの画家。花々や果実、精緻な刺繍や宝石が描かれた黄金色の祭壇画に封じ込められたのは、輝ける永遠の失楽園。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nat
35
図書館本。前から見たかった本を図書館で発見!大好きなマグダラのマリアが表紙。ツンとした目つきが素敵!購入したいけど、Amazonでなんと16000円くらいするので、仕方なく見るだけで満足することに。いつかロンドン ナショナル・ギャラリーとブレラ美術館へ行って、現地で実際に見てみたい!アスコリ・ピチェーノ大聖堂多翼祭壇画も美しい!また、解説を読みながらそれぞれの作品をまたじっくり見直すと、数々の発見があり、見飽きない。2021/06/06
あたびー
29
ルネサンス期のヴェネチア人。カバーはサラ・ウォーターズ「半身」の表紙にも使われたマグダラのマリア。冷たいほどの美しさを湛える聖母、見るものを視線で射抜く聖ペテロ、そしてなぜかヘタレな幼児像…この人は子供嫌いだったのだろうか?衣装が財産でもあった時代に富を象徴する豪華さを精緻に描き込む。だまし絵の手法で技巧を誇る。きゅうりはリンゴの罪を解毒するのだとか。聖ステパノの頭の上にパンが乗ってると思ったら石でした。衣装がとにかく見ても見ても飽きないです。2021/02/03
内島菫
25
モンテフィオーレの祭壇画とアムステルダムの王立美術館、二つのマグダラのマリアを見比べると、最終的に印象に残るのは前者であり、えくぼのようなシワのような陰影を施された口元と斜め横顔の流し目が彼女の一瞬の表情を捉えている。後者のマリアは顔よりも蛇のようにのたくる髪の毛に目が行く。もう一点髪に目が行ってしまうのが「燕の聖母」の聖セバスティアヌスであり、それは金属的に描かれているが故なのだが、髪だけでなく顔や手やマントも金属的であり、隣の聖母や聖ヒエロニムスも含めてこの祭壇画全体が金属的な質感と色彩を放っている。2019/07/13
てんてん(^^)/
16
このマグダラのマリアのスーンとした表情、ホント好き。さて最初にクリヴェッリの名が記録に登場するのが、人妻との姦通罪の裁判の記録なのだが、そこから大体の生年が割り出される等、何が役に立つか分からない。その罪でヴェネツィアを追放されて後、今のクロアチアに移り住み、あのビザンチン美術に影響された独特の画風を会得するのも、なかなか数奇な運命だ。その不思議にオリエンタルな雰囲気。豪奢な金と細部までびっしり描かれた装飾。時にアンニュイ、時にエキセントリックな表情を見せる人物。いつまでも見飽きない魅力的な作品集である。2022/09/30
zeroset
2
この人の描く、冷たい目が好きだ2008/01/06
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