出版社内容情報
日本においては1980年代後半以降、過労死が大きな社会問題となっている。現在も引き続き問題は深刻で、加えて2020年2月からは新型コロナの感染が拡大し、いわゆるエッセンシャルワーカーと呼ばれる人々が極めて過酷な労働を余儀なくされている。本書はなくならない過労死の現実とその分析、さらに過労死をなくすための提言をおこなう。
内容説明
グロバリゼーションが「過労死」を世界的に拡大させている。
目次
第1部 過労死と過労自殺の事例(トヨタの事例;遺族は語る)
第2部 過労死と過労自殺の分析(精神医学・公衆衛生学から見た過労死・過労自殺;過労死研究の経過と現代の課題;国際人権の視点から見た過労死と過労自殺の問題;ジェンダーの視点から過労死を考える;過労死110番運動の歩みと過労死防止の課題;【付属資料】過労死110番への相談内容の推移)
むすび―過労死をなくすために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
13
資本主義だからね。何をしたってお金を稼いだほうが偉い。利益が高いほうが偉い。使えるものは何でも使う。ただそれで生き延びることができる人とそうでない人がいて、人間は平等であって、公平ではなかったりするから、その辺がこうした問題になったりならなかったりするんだけど、だからどうしたっていう問題もまたある。だって逃げればいい。そんなことを許せる社会とそうでない人がいたりする。頭おかしいよね。どこかで資本主義が終わらなければならない。そういう話なんだと思う。2023/04/30
Cephalopoda
1
著者のお一人から頂いたので読んだのだが、分量に比して密度がとても高い。過労死問題に関連する領域の広さに驚かされた。2023/02/04
ひろきくん
1
働くということは、生活の糧であるお金を稼ぐことや、いわゆる幸せに向かうための一つの手段だと思う。 何を目的とするのか、明確なゴール設定なしにがむしゃらに働くことが過労死につながると思う。 仕事に飲み込まれないように、 なんのために働くのか、しっかりと認識しつづける必要があると思う。2023/01/15