出版社内容情報
敗戦と戦後改革、日本国憲法によって、国民の自由抑圧を担ってきた治安法制、警察も大きな変容を迫られた。取締り当局は、戦前明治憲法下の治安立法や警察権限の復活を目指したが、その試みは挫折し、「市民警察」前面に立てた権限拡張に転じざるを得なかった。破防法、秘密保護法を中心に、その歴史的変容の過程と現代警察への変貌を描く。
内容説明
明治憲法体制の下の治安法制と警察は日本国憲法下でどう変わったのか。日本国憲法の下で、公安条例、破防法、秘密保護法などの戦後治安立法はいかなる特徴を持つに至ったか、戦後民主主義運動との攻防によって、いかにその発動を制限されたかを描く。
目次
1 戦後日本の治安法制―戦前から戦後へ(治安維持法と戦後民主主義;政治的表現の自由法理の形成―公安条例、破防法と憲法の対抗;破防法はなぜできたか、いかに使われようとしているか?―オウム真理教と破防法 ほか)
2 戦後日本社会の形成と現代の警察(現代警察とそのイデオロギー;ファシズム期における天皇制警察の理念―現代日本警察の源流;現代日本警察の形成―「近代化」から「日本化」へ ほか)
3 日本社会の新自由主義的転換と現代警察の変貌(グローバル化・「強い国家」政策と現代警察のねらい)
著者等紹介
渡辺治[ワタナベオサム]
一橋大学名誉教授。1947年東京都生まれ。1972年東京大学法学部卒業、73年4月より79年3月まで東京大学社会科学研究所助手、79年10月より同研究所助教授、1990年4月より一橋大学社会学部教授、2000年4月より10年3月まで同大学大学院社会学研究科教授、この間、2004年12月より06年11月まで同大学院社会学研究科長・社会学部長、2010年名誉教授。2012年より15年まで日本民主法律家協会理事長。2004年より「九条の会」事務局(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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