感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KUMAGAI NAOCO
1
バルザックの「ふくろう党」の続き。マリーはふくろう党に潜入し、捕虜を逃したり、ミサで司祭が民衆を扇動する様子を見て衝撃を受けたりする。モートラン侯爵率いる反乱軍の民衆も徐々に領地や年金や地位を要求し始め、決して心から王政復古を願っている訳でもない、打算的で利己的な姿が浮彫になり始める。マリーとモートランは結ばれるが、狡猾なコランタンが偽の手紙で2人の仲を引き裂こうとする。どんどんユロ率いる鎮圧軍が優勢になって行く中、色んな登場人物の思惑や感情が交差して、バルザックらしい群像劇。最後まで目が離せなかった。2023/04/06