出版社内容情報
近代外交の様々な画期にかかわった外交家たちの足跡。明治から戦前まで、外交家たちの自伝・伝記・回顧録を集成。
外交官の個人文書の公開は現在ほとんどされていない。外務大臣経験者クラスでも、陸奥宗光や幣原喜重郎の例が辛うじて挙げられるぐらいである。近代政治史研究、特に政策決定過程などの研究上、個人文書の果たす役割ははかり知れないが、入手、閲覧ともに非常に難しいのが現状である。
本シリーズ『日本外交史人物叢書』は、これら外交官個人文書史料の不在を補うべく、外交官たちの自伝・伝記・回想録等を幅広く精査し、集成したものである。
●第6巻●外交余録(石井菊次郎著・岩波書店・1930刊)
石井が自身の外交的半生を回顧し、その経験を交えながら語る外交論。特に明治大正期の外交史が具体的に細部にわたって論じられる。また長期にわたる海外生活と豊かな学識に支えられた石井独自の外交思想が、過去の偉大な外交家の事例など引きながら展開される。