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内容説明
“マザー・システム”は魔法士の犠牲の上に成り立っている―“賢人会議”の主張が真実であると主席執政官のアニルが認めたことで、紛糾するシティ・ニューデリー中央招集会議。だがそこに現れた真昼は、さらに恐るべき事実を全世界に突き付けた。“マザー・コア”の交換を巡り、推進派と反対派の内戦状態に陥るシティ・ニューデリー。敵味方が入り乱れる中、アニルの最後の希望を叶えるため、イルが、ヘイズが、クレアが闘う。そして病魔に冒されながらも毅然と振る舞うアニルの姿に、錬とフィアの胸にある決意が芽生えるが―。
著者等紹介
三枝零一[サエグサレイイチ]
1977年兵庫生(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
27
去り行く者への讃え歌を歌いましょう。市民も軍人も、魔法士も普通の人間も、関係なく。肩を組み、涙を流し、この戦後を駆け抜けていった偉大な一人の男を惜しみ。ただただ、子ども達が、死んで、死んで、死に続けた戦場から生還した大人。旧い世代の人間ができるのはここまで。未来を選ぶのは、若い貴方達の役目ですよ、と微笑んで。あの日戦場で死んでいった数多の子ども達から、今の子ども達へ繋がった現在。もう逃げない。世界の、自分のタイムリミットから。軋みつつ回り始めた世界の歯車が奏でる音。それが何よりの貴方への讃え歌となるだろう2014/06/20
まりも
15
これはすごい。賛成派、反対派、賢人会議の複雑な人間関係を余すところなく利用した展開は圧巻の一言。アニルの演説も印象的だったけどそれ以上に心に残ったのがアニルとルジュナのやり取り。舌戦でお互い全てをぶつけ合った後の兄妹の絆は素晴らしかった。最期まで言葉と姿勢で人の心を動かし状況に流されるだけだった錬たちの意識を変えたりと此処まで存在感のある人物になるとは思いませんでした。クレアもシティを抜けヘイズと行動を共にし月夜は真昼を止めるためにモスクワ側に所属したりと物語はまだまだこれからといった所。次巻も楽しみ。2014/11/08
nob
10
シリーズ10冊目。シティニューデリー編完結。ニューデリーのマザーシステムの交換を推進するアニル達と、それを阻止しようとする反対派と賢人会議の最終決戦が始まる。圧巻の一冊。このシリーズらしい濃厚なバトル描写。因縁のあるクレアとセラの戦いが格好良い。そして終盤でクレアがシティにキレたシーンがよかった。ヘイズと一緒に行動するのが驚き。月夜はモスクワへ、錬とフィアはロンドンに行き、それぞれの分かれ。魔法士とマザー・システムをめぐる戦いはどういう結末をむかえるだろう。次巻も楽しみ。2019/03/11
晦夢
9
ついに賢人会議の主張が事実だと認めたアニル。紛糾する中央招集会議だったが真昼が現れ更なる事実を明かす。白熱する議論。マザー・コアは必要なのか、不要なのか。個人的には真昼とアニルで舌戦を見たかった。まあこういうとこも含めて真昼好きになれないんだよな。結局は最後まで味方をも騙してるようなとこも含めて。たとえそれがどんな目的でも。アニルが兵たちに慕われている姿、そしてアニルの演説と感動して思わず泣きそうになった。次巻はメインキャラが勢揃いということで祐一が出てきてくれると思うと楽しみ。2015/04/11
ネクロス
8
再読。ウィザブレの中で個人的に一番好きな巻。アニルの意志に乾杯。2014/02/10