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内容説明
シマはかつて小さな組織を束ねていたが、抗争で妻子を惨殺され、自らも瀕死の重傷を負う。サイボーグ化手術で一命を取りとめたシマに残されたのは、癒えぬ心の傷と、後悔と諦めの日々だった。少女ナツはかつて親に捨てられ、施設で暮らしているが、頑なに神を信じる態度は、心の傷を隠す仮面にも似ていた。修道院を舞台に、ミステリアスに展開される「宝物」の行方と児童誘拐事件。心に傷を持った二人が出会う時、全てを失った男は、奇蹟を信じる少女のために再び立ち上がる。「大人の責任」を果たすため、シマが見せる「奇蹟の表現」とは―。
著者等紹介
結城充考[ユウキミツタカ]
昭和45年、香川県にて生誕。東京都在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いよ
9
やっと読み終わった!地元図書館にて借りた。大学の文芸部にこれと全く同じ題材、文体で小説を書く人がいて、相性の悪さも何故か同じ。当時の大賞作品や当時あったレーベルを確認していると、受賞に頷ける作品だった。読メのレビューでは感触がいいが、私はまったく逆の評価に…。ナツの設定はよかった。しかし、三人称なのにシマの心情が推測で地の文に入っていたり、機械の体の描写が少ししつこかったように感じた。しかし、文芸部で同じテイストの作品に出会って批評してなければ、たぶんまた違う感想になったと思う。続きは読むつもり。2016/10/14
ひのえ
2
けっこう面白かった。そんなに暗い話でもなかったし、かといって明るいわけでもなく、その辺の塩梅が丁度よかった。内容もしっかりしていたし、読みやすかった。漢らしいシマには好意を持てたし、ナツの言動も子供らしさと意地があってよかった。ただ、全体としては魅力に欠けてしまうのが惜しいところ。2014/05/05
ナス隊長
2
一時期、電撃小説大賞の受賞作を全て読んでいた。確か銀賞。猪面サイボーグ化した元やくざのおっさんが、強気で頑固なクリスチャンの少女を守る、レオンやタイガーマスクの香りがする物語。孤児や臓器売買とかなり暗い展開を見せるが、ガタが来てる身体をフル稼働させて頑張るサイボーグ(蒸気機関式だっけ?)おっさんが好感触。イケメンじゃないヒーロー、いいじゃない。自分がKEIさんのイラストを初めてみたのはココかな。2013/01/06
たろ
1
改めて…表紙の印象通りの作品ですね。途中表現がガチャガチャしますが、それさえ気にしなければ気軽に読める作品だと思います。2014/09/11
鑑真@本の虫
1
最近のラノベはある程度の有名作をなぞるものも少なくないため、話の展開や終着点のパターンが定まっていることが多いが、こういう独自路線のハードボイルドな作品もたまにはいいな、と感じた。 シマが素敵です。続編を手にしたいとは思えなかったが、良作であることは断言する。2012/12/26