内容説明
廃墟マニアの郡司朋成と栗城洋輔は、同じ大学に通う真知花梨に招かれて鈴鳴村にやって来た。その地にある廃墟施設を探検するためだ。だが彼らを待ち受けていたのは奇妙な伝説だった。鈴鳴村にはかつて天才絡繰り師が住んでいたが、120年後に作動するという絡繰りを遺してこの世を去った。今年はまさに絡繰りが作動するその年にあたるというのだ!2人は花梨と妹の玲奈の協力を得て、隠された絡繰りを探し始めるのだが…。
著者等紹介
森博嗣[モリヒロシ]
1957年愛知県生まれ。某国立大学工学部助教授職の傍ら、1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞して作家デビュー。受賞作をはじめとする「犀川・萌絵(S&M)シリーズ」で一躍人気作家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
121
コカ・コーラが120年の歴史を持つものだったとは…。ストーリーとは別の部分で驚いてしまった。120周年を記念して書かれた1冊。長い長い時を超えてまで人の心にひっそりと住まう。先人が子孫へのメッセージとしてカクレカラクリを残す。でも、あまりにも長い年月はいつの間にか先人の思いを伝説として架空のものにしてしまう。現実の世界でもそうかもしれない…。あってほしいと思う反面、それが幸せを運んで来るとは限らない。夢を体験させてもらったような1冊。まあ、この作品はハッピーエンドだけどね…。2013/06/12
ぺぱごじら
44
『森博嗣小劇場feat.コカ・コーラ』といった感じ。Gシリーズに出てきそうな大学生たちによる、小さな村でのちょっとした冒険と謎解きの夏休み。120年前、村のどこかに仕掛けられた『隠れ絡繰り』に籠められた村の謎と絡繰り師の意志とは?森さんの描く『考えが散らかってるとき』と『カシーンと考えが繋がった瞬間』の文章がとても好きです。ちょっと心拍数が上がり、ページをめくる手が早くなります(笑)。ラストのやり取りが『全ての謎は解かない』優しさと共に少し哀しく、夏が終わったなぁという気分がします。2013-142013/02/19
ゆにこ
36
コカコーラが頻繁に出てくるので何かの伏線かと思っていたら、コカコーラ120周年の作品だったのですね。前半はなかなかテンポが進まなかったけど、後半からは面白かった!2013/12/07
Nyah
32
工学部の郡司と栗城は廃墟に惹かれている。同じ大学に通う真知花梨の地元の廃工場に、花梨に招かれて自宅のお屋敷に逗留することになる。昔この村に天才絡繰り師が住んでいたが、120年後の丙戌の年に作動するという絡繰りを遺したらしい。今年は当に丙戌の絡繰りが作動する年。絡繰はどこに隠しているか分からない。二人は花梨とその妹の玲奈、真知家と対立する山添の子だが、玲奈と仲良い太一の力を借りて探して行く。天才絡繰師の子孫で玲奈と太一の高校の磯貝先生も付き合ってくれる。2人が探索する過程が楽しかった。私も絡繰見たい。2021/04/07
佐島楓
30
人が死なないミステリ+青春群像劇。確かドラマ化もされた作品でしたが、気になりつつも見逃した記憶が・・・。本筋のトリックよりもある「秘密」から広がってゆくお話のほうが、想像力が膨らみますね。2013/05/30