内容説明
現在は振り飛車全盛、一切飛車を振らない純粋居飛車党という棋士はずいぶん少なくなったが、ほんの10年ほど前、振り飛車党が絶滅の危機に瀕した時代がある。その最大の原因となったのが居飛車穴熊だ。本書は、当時絶大な威力を誇った居飛車穴熊に対し、振り飛車党の旗手である若手プロ3人が独自の研究を披露した一冊。これは、居飛車穴熊という強大な敵に対峙した、振り飛車党の矜持を賭けた戦いの系譜でもある。
目次
第1章 定跡研究編(小倉の居飛穴退治;私がこの戦法を選んだ理由;杉本の急戦居飛穴破り;藤井流最新居飛穴対策;藤井猛のワンポイント講座)
第2章 実戦編(荒さばきを封じる;逆転の一局;作戦成功の一局;リーグ入りの一番;先手の工夫に苦戦;振り飛車、理想的な展開)
第3章 次の一手編
第4章 対居飛穴好局集
著者等紹介
小倉久史[オグラヒサシ]
1968年5月15日、東京都生まれ。82年12月、6級で中原誠永世十段門。88年10月四段、92年10月五段、98年5月六段。96年度、第55期順位戦でC級1組昇級
杉本昌隆[スギモトマサタカ]
1968年11月13日、名古屋市生まれ。80年10月、6級で板谷進九段門。90年10月四段、95年10月五段、2000年7月六段。01年度、第20回朝日オープンで準優勝。02年度、第61期順位戦でB級2組昇級
藤井猛[フジイタケシ]
1970年9月29日、群馬県生まれ。86年4月、6級で西村一義九段門。91年4月四段、99年10月八段、2000年10月九段。98年、第11期竜王戦で谷川浩司竜王を破り棋界最高位の竜王を奪取、以後3連覇を果たす。97年、将棋定跡に革命的進歩をもたらした「藤井システム」で升田幸三賞受賞
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