目次
永遠の時空に身を置く人々
古木の森の木彫り
森の賢明さ
地下水、緑の森と生命
共同の家、部落の魂
高原のわが友人たち
ヌップ、全中部高原の部落の長老
ニンノン月
ステン人の六つの魂
ムオンホンのアーボック
森の中の旅芸人
クニアの木を生んだ無名の芸術家
コンクロに帰った人
銅鑼に声を教える
アカーン、春
コンブライユーのごった煮野菜スープ
雷鳴と稲妻、男性と女性、ザライの不思議
耳吹きの儀式と甕酒。散漫な記憶と忘却
著者等紹介
鈴木勝比古[スズキカツヒコ]
1944年生まれ。大阪外国語大学ロシア語科卒業。1969年11月~1973年7月ハノイ総合大学ベトナム語科留学・卒業。1973年12月~2007年6月日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」編集局勤務。その間、1975~2007年、5期にわたりベトナム・ハノイ特派員。1991~1995年ルーマニア・ブカレスト特派員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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buuupuuu
4
ベトナム中部高原の奥深い森、そこに暮らす少数民族の人々、そして坑仏、坑米、両戦争を著者と共に戦った旧友たち。ベトナムの近代化の中で失われていきつつあるものを、著者は温かい筆致で、回想とともに我々に引き合わせてくれる。衝動のままに芸術を生み出し、栄誉を求めず森へ帰り放浪する男達や、自分達の文化を収集し、記憶し、継承しようとする女達。皆が集まる共同の家。数日間も続く英雄伝。甕酒。歌。詩。六つの魂。銅鑼。ごった煮スープ。耳吹きの儀式。人がそこから生まれ、そこから身を引き離し、やがてそこへ還っていく森。ルンゴル。2021/12/04